この秋冬の本命アウターを探している人は要チェック。UOMOエディターが惚れ込んだコートやジャケットを参考に、渾身の一着を選んでほしい。
01:SANYOCOAT|100年コート
「100年先のことは、いっそ気にせず」
「百年の孤独」とGoogle検索してトップにくるのは焼酎です。小説ではなく。いつのまにか人生100年時代と普通に言われるし、「100年」という言葉の意味が以前よりカジュアルに変わったのかもしれませんが、そこでSANYOCOATの「100年コート」。いわゆる日本のきめ細やかな職人技による、長く愛されることを目指したコート。代表作であるトレンチの印象が強いものの、展示会で見かけたバルマカーンコートが意外な伏兵でした。
ラグランスリーブのコートの場合、ジャケット等との合わせを意識してか肩線を丸く作る場合が多いけど、こちらは直線的。インにニット等を着ているときの肩の落ち具合が自然。オーバーサイズに目が慣れた今は、ちょっと肩幅狭めに見えるのが逆にAラインを強調できていい。素材も長期間の着用に耐えうるゴリゴリの硬さというよりは、タンブラー加工と起毛加工がかかっているので、すでに10年くらいは経ってるような、ゆるい味あり。「100年」のプレッシャーを良い意味で感じさせない、今年気軽に着て普通に楽しめる服だと思います。
ちなみにこのバルマカーンコートのディレクションはアーカイブ&スタイルの坂田真彦さん。アレンジの加減がさすがだなと感じました。
02:HEUGN |スエードジャケット
「ただモノじゃない、育てたくなるスエード」
長年愛用できるという点と、着込むほどに味が出る点で、レザージャケットには目がない僕。良いレザージャケットがないか常にアンテナを張っていたところ、HEUGNで見つけちゃいました。
スペインの上質なスエードを使った一着は、ふわっとした柔らかさ。これだけでそんじょそこらのスエードじゃないな、と思わせてくれる。おまけに、レザージャケットにありがちなジップではなくスナップボタン! これだけでグッと上品な印象に。
ポケットも胸の内側だけにあるというシンプルな作りが、素材の良さ、そして少しゆったりとしたシルエットを際立たせてくれます。少々高い買い物にはなりますが、きっと10年後も飽きることなく着られるはずです。
03:DUNHILL|レザーカーコート
「渋いのに若々しく見える最強のコート!」
36年間、レザーのライダースジャケットだけはどうしても似合う気がせず、もっと言えば黒のスムースレザーの服には手を出してこなかった。アラフォーになったいま、そろそろスエードジャケットだけじゃなく、艶のあるスムースレザーにも手を出していいだろうと、自分自身に勝手に許可。
新生ダンヒルのカーコートはまさに「紳士のレザー」という佇まいでありながら、シルエットがスマートなAラインで若々しい点に一目ぼれ。カーコートって武骨な大人の象徴と思い込んでいたが、これは線の細い大人でも難なく着られる予感。幸せな出会いだった。
04:HERILL|デニムジャケット
「ジャストで着たいデニムジャケット」
少しずつ、少しずつ、勢いを増している「ジャストサイズ」の波。この秋は肩をジャストで合わせた上半身に、下半身はきれいなラインのスラックスという着こなしが主流になりそうだ。
トップスは秋なら断然ショートアウター。特にデニムのトラッカージャケットに注目したい。選びたいのはブルーではなくあえてのブラック。サードモデルがベースで、きれいめに着られるボックスシルエットが特徴。ジャストサイズでボタンも上までしっかり留めて、端正に着たい。
05:L’ECHOPPE×LAVENHAM|キルティングコート
「おじさんでも無条件に可愛い、冬の白」
すでに恒例になりつつある、レショップとラベンハムの別注アウター。
今季の新作は、白とブルーのリバーシブル仕立てとハーフコートのような丈。そしてさりげないポケットのデザインに加え、オフホワイト×ブルーのコンビネーションが可愛い。
襟をあえてくしゃっとさせてブルーを見せるのもよさそう。あざといようでいて、ディテールが渋いところはちゃんと地に足がついているので、いやらしくないところもいい。断言、これを着て可愛くならない大人はいない!