ラングラーの伝説的なプロダクトを現代に蘇らせるプロジェクト「THE ARCHIVES」が始動! 名品デニム全5型の登場だ。
多くのデニムファンに愛され続けるブランド「ラングラー(Wrangler)」。同ブランドのマスターピースを忠実復刻するプロジェクト「THE ARCHIVES」がスタートし、ラングラーの歴史を辿るうえで欠かすことのできない名品デニム5型が発売された。
「THE ARCHIVES」シリーズは、現存する数少ないヴィンテージピースを解析し、ディテールや縫製、そして当時話題となった付属品までを徹底的に再現しているのが特徴。中でも、今回登場する10MWは、ヴィンテージでも現存数が少なく、1964年の1年間のみしか製造されていない希少なモデル故に、幻と言われている。
では、そんな一本を含む復刻5型の詳細を見ていこう。
11MW WESTERN SADDLE PANTS 1951
全米のロデオ・サーキットに顧客をもつウエスタン・ウェアーのカスタムテーラーを営む「ロデオ・ベン・リヒテンシュタイン」によりデザインされた一本。ロデオ競技において、サドル上での過酷なアクションに耐えうるディテールが特徴。深めの股上と腰回りの最適なホールド感、高めのバックポケット位置、サドルを傷つけないノースクラッチ・リベット、トロフィーバックルのスペースが確保された広めのフロント・ループなど、プロ・ロデオ・ライダーに向けた真のウエスタン・ジーンズだ。今回の一本は1950年にRCA オール・アラウンド・カウボーイのタイトルを手にした「ビル・リンダーマン」の肖像がフラッシャーに加わった1951年モデルの復刻。
11MWZ WESTERN JEANS 1958
バックポケットに配されるブランド・レーベルを、より耐久性の高い素材へとブラッシュアップ。逆巻きのバック・ヨーク(山ハギ)や7本ループなど、ラングラー・ジーンズのアイコンは独自の存在感を放つ。ジッパー仕様である本モデルは、利便性はさることながら、ロデオ競技時にサドルホーンが引っ掛かり事故に繋がることを防ぐ効果も期待できる。
10MW WESTERN JEANS 1964
1964年のわずか1年間のみリリースされたラングラー最大の異端児モデル。アウトシーム、インシームともにラングラーの象徴である「rolled seam(巻き縫い)」ではなく「open seam(割り縫い)」で縫製され、セルビッジ(ほつれ止めを施した生地の端)が見られる。ややテーパードするカットや直線的なヒップ・カーブなどが特徴。使用されるファブリックは当時、右綾・左綾ともに混在したが、本復刻では右綾を採用した。
111MJ WESTERN JACKET 1951
カスタムテーラー「ロデオ・ベン・リヒテンシュタイン」による緻密なデザインワークで、ジャケット随所にアイデアが散りばめられている。1950年に通称“PROTO MODEL”と呼ばれる「11MJ」からブラッシュアップされて登場した本モデルでは、サイレントWステッチが輝く左右のチェストポケットやフロント・プリーツといったディテールは継承しつつ、サドル上での運動性を高めたアクション・プリーツが背面に追加され、フロント・プリーツはラングラー独自のディテールである「丸カン止め」で登場。ジョン・レノンが公私ともに愛用したことでも知られる一着。
11MJZ WESTERN ZIPPER JACKET 1958
1956年に登場したフロントがジッパー仕様のジャケット。独自のデザイン性はもちろん、グローブをした手での開閉の利便性も高く、多様なニーズに応えるラングラーの姿勢がうかがえる。両サイドには初めてハンド・ウォーマーが付き、アクション・プリーツは継承しながら、背面両脇部のアジャスターはエラスティック製となり、独特の美しいシェイプラインを描いたモデルだ。