定型のあるデザインゆえに、着る人のパーソナリティが端的に表れる。スーツってそんな服。だからこそ、自分のライフスタイルにぴったりの一着を選ぶのが正解なのだ。となれば当然、イチから作るのが得策。洒落者たちの声をもとに、理想のオーダースーツについて考えてみよう。
▶︎▶︎▶︎江口大介さん、フミヤ ヒラノに出会って
スーツの概念が変わったって本当ですか?
スーツがフォーマルなものから、最高の日常着になりました。
最新のオーダー場所
フミヤ ヒラノ ビスポーク
これまでのオーダー回数
3回
オーダーしたきっかけ
平野さんと話をする中で“ワークウェアとしてのスーツ”というアイデアが浮かんだため。コーデュロイの経年変化にも期待。
Profile:
ヴィンテージ時計と洋服を扱う吉祥寺の「江口時計店・江口洋品店」店主。
これまでほとんどスーツを着てこなかった僕ですが、この一着が完成してからは毎日のように愛用しています。ある意味、スーツの概念を変えてくれた服ともいえますね。ビジネスウェアとか、ここぞのときに着るものではなくて、“最高の日常着”といえる存在なんです。
僕が好むのは流行を超えて長く愛用でき、経年変化の美しさを味わえるような服。最近は年齢を重ねてきたこともあって、そんな自分のワードローブにおける“柱”をつくりたいなと考えていました。スウェットやスニーカーといった自分のスタンダードと合わせて、気負わず毎日をともにできるような服が欲しいなと。数年前に一着だけスーツを仕立てていただいたテーラーの平野さんと偶然再会し、そんな話をなんの気なしにしたところ、「ヘビーウェイトのコーデュロイスーツなんかよさそうですね」とアイデアをいただいたんです。なるほど!と膝を打ってオーダーしたのがこちら。’40年代のフレンチワークウェアをイメージして太うねの重厚なコーデュロイを選びました。パンツをあえて太めに設定し、カジュアルな印象に仕上げてもらったのも特徴です。そして何より魅力なのは、着込むほどにエイジングする生地。シワがついたり表面が擦れてきたりすると、まるでヴィンテージのような味わいを醸し出してくれるはず。その姿を想像すると本当にワクワクしますね。
Fumiya Hirano Bespoke
ヘンリー・プールで磨いた本場英国仕立てを、日本人にも合う独自のスタイルに昇華。海外でも定期的にトランクショーを開催し、世界中のスーツ好きから絶大な人気を博している。
住所:東京都港区西麻布2-23-8 南雲ビル1階
TEL:03-6712-6625
完全予約制
Composition&Text:Hiromitsu Kosone