華やかな表参道を抜け、骨董通りの脇道を進むと、そこは最近にわかに盛り上がる「裏青山」。小さな名店が、ひっそりと、そして続々とオープンしているらしい。キーワードはフレンチシック。ツウ好みな大人たちが青山に戻ってきています。
青山 Aoyama
ボンジュール!「裏青山」は日本のパリなのか。
1st-pour homme
東京都港区南青山5-17-13 1階
TEL:03-6427-4529
営業時間:13時~19時
定休日:水曜
インスタグラム@st.pour.homme
2ARCH南青山
東京都港区南青山6-2-6 1・2階
TEL:03-6434-1203
営業時間:12時~20時
定休日:火曜
インスタグラム@arch_minamiaoyama
3Godard Haberdashery
東京都渋谷区渋谷2-2-3
営業時間:15時~21時
定休日:水曜
インスタグラム@godard_haberdashery
4Arms Clothing Store
東京都渋谷区渋谷2-3-3 1階
TEL:03-6427-5708
営業時間:12時~20時
定休日:不定休
週末は表参道より裏青山。 気分はフレンチシック。
僕らが学生時代、“裏原宿”で遊んでいた頃、ラグジュアリーでハードルの高かった青山。今や当たり前に買い物ができる年齢になったが実は本当に面白いのはまたも“裏”らしい。3 Godard Haberdasheryのオーナー・笹子さんを訪ねると「このあたりはアパレルのショールームで働く方、老舗の飲食店を訪れる方と、ある種イケイケな大人たちの混合生活圏。さらに学生街と交錯するムードがいい。最近はひっそりと洋服店の出店が続き、この通りにもビスポーク出身の職人さんが営む帽子店やArms Clothing Storeができた。わかる人に来てもらえればいいというお店ばかりで、その気高さにパリとの親和性を感じます」。
その言葉を頼りに早速、古い街並みを残す“裏青山”を巡る。骨董通りを下った脇道に佇む1 st-pour hommeは数千円の古着と数十万円の上質なウェアが入り交じり、店主の自由な感性に刺激される空間。ディッキーズ874をベースにディテールを美しく縫製したオリジナルのドレスパンツを購入して、近くの2 ARCH南青山へ。スタッフ曰く「トレンドばかり追うのを卒業した30代からアメカジ全盛期を過ごした大人まで幅広くフレンチを面白がってくれます。この辺は貿易関係の方も多く客層は多国籍です」。ミリタリーウェアを試着し倒し、結局名品“ウィロー”シューズを予約。最後にスラックスを探しに話題の4 Arms Clothing Storeへ。オールドGAPや年代もののadidasに目移りしつつ円形ラックに並ぶメゾン古着を物色…。夕暮れには笹子さんのお店を再訪する。名優ジャン=ポール・ベルモンドのポスターに囲まれて立ち話。「フランスのテーラーは独特。イギリスの堅さとイタリアの軽さ、その両方を重視しながらもオリジナリティを大切にする国民性。着崩しが粋なんですよね」。パリジャンの遊び心にならって、キザなくらいの小物を調達した帰路、夕飯は近くのビストロで締めたいところ。裏青山の隠れ名店で裏名品、いくつになっても僕たちは“裏”が好きなのかもしれない。
服好きなら飛行機に乗ってでも訪れたいショップガイド
Illustrations:Megumi Goto
Composition&Text:Takako Nagai