パタゴニアを代表するアイテムのひとつが水陸両用のバギーズ・ショーツ。夏にマストなこのショーツを、今シーズンは創業50周年記念としてコットン・イン・コンバージョンで展開する。パタゴニア日本支社・マーケティング部の加藤 学さんにコレクションの裏にあるストーリーをうかがった。
50周年記念のコレクションに込めたメッセージ
「“ファンホッガーズ・コレクション”はパタゴニア創業50周年を記念して、定番のバギーズ・ショーツやアイコニックなアーカイブ製品を天然繊維でつくったコレクションです。ソフトながら丈夫なコットン・イン・コンバージョン素材を使うことで、オーガニック認証を目指して努力する農家を支援しています。
コットン・イン・コンバージョンは、オーガニックに移行期間中のコットンのこと。化学物質を使用する農業からオーガニックや再生農法へと移行して、オーガニック認証を取得するためには3年を要します。その移行期間のコットンをパタゴニアが使用することで、オーガニックコットンをさらに広めていきたいと考えています。
ご存じの通り、パタゴニアは1996年からすべてのコットン製品にオーガニックコットンを採用しています。2020年には一歩進んだ、リジェネラティブ・オーガニック農法(微生物などを活用する環境再生型の農法)で栽培されたコットンを初めて製品化するなど、地球環境を健全に保つための取り組みを行ってきました。
ファッションに精通されている方でも、リジェネラティブ・オーガニック・コットンやコットン・イン・コンバージョンの存在を知らない方が多いと感じていました。ぜひこの機会に、コットンやその生産背景に関する理解を深めていただけれたらうれしいです」(加藤)
01.ファンホッガーズ・ショーツ 6インチ
日常着にぴったりのコットンバギーズショーツ
パタゴニアの顔ともいうべきバギーズ・ショーツをコットン・イン・コンバージョン100%でつくったショーツ。コットン素材ならではのやさしい肌ざわりと、ウエストドローコードのラクチンなはき心地が魅力。フロントに深いポケット、ヒップにもフラップ付きのポケットを備え、ワンマイルウエアからファッションユース、旅まで、便利なことこの上なし。
Undyed Natural(無染色)は文字通り、染色していないナチュラルなコットンのカラーを活かした色。コットン・イン・コンバージョンの魅力がいちばん伝わる色として、“ファンホッガーズ・コレクション”のフォーカスカラーになっている。
展開されているショーツの中でもひときわ目立つ「Thriving Planet: Lago Blue」柄は、1974年の初期のカタログの線画「Thrive Forward(繫栄して前進)」をもとにしたグラフィックだ。生き生きと繁栄していく喜びを表現した柄で、今季のパタゴニアのテーマにもなっている。休日にハッピーな気分を味わいたい人はぜひ、トライして!
02.ファンホッガーズ・アノラック
セットアップになるアノラックも展開
“ファンホッガーズ・コレクション”では、バギーズ・ショーツとセットアップになるアノラックも展開している。フロントはスナップボタン留め、両サイドにフラップ付きジッパーポケットが付き、袖口はゴム&裾はドローコード入りと、パタゴニアらしい機能的なデザインだ。コットン・イン・コンバージョンを象徴するUndyed NaturalとThriving Planet: Lago Blueに、配色が冴えるClassic Tanの全3色。
“ファンホッガーズ”は、パタゴニア・マニアの間では有名な言葉で、「貪欲に遊びを求める豚=Fun Hog」を意味する。創業者のイヴォン・シュイナードが1968年にアルゼンチンに旅して、フィッツロイ山の頂上で「Viva Los Fun Hogs(飽くなき冒険者たち万歳)」の旗を掲げたこと由来する。詳しい物語は、パタゴニアのスタッフにぜひとも確認してほしい。
03.ファンホッガーズ・パンツ
エブリデーパンツのコットンバージョン
パタゴニアの人気定番、エブリデーパンツをコットン素材にしたような、毎日はきたくなるパンツ。ウストはゴムでドローコードが付き、両サイドにポケット、ヒップにもフラップ付きポケットが。軽くて軽快なはき心地で、コットンならではの経年変化も楽しめる。
参考までに膨大な世界の綿の生産量のうち、オーガニックコットンはまだ全体の約1%に過ぎない。環境汚染から地球や、私たちの暮らしを守るためにも、コットン・イン・コンバージョン製品を選んで、オーガニックコットンをつくる農家がもっと増えることを応援したい。
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Stylist:Takumi Urisaka
Composition & Text:Hisami Kotakemori