年明けとともに話題に挙がる特別コレクションの先鋒、「ユニクロ ユー」2023年春夏が2月10日(金)に発売される。それに先んじて、ユニクロのプレスルームで最速試着。前編では「2月から着られる」長袖アイテムや新型パンツなどを紹介する。
グローバルブランドの「UNIQLO(ユニクロ)」では、まさに新年の狼煙。コラボ特別コレクションで常に先鋒を陣取る「Uniqlo U(ユニクロ ユー)」2023年春夏シーズンが、いよいよ2月10日(金)に発売される。
先に公開した編集部員たちの展示会取材ルポに引き続き、リアルな着心地とクオリティを細かくチェックすべく本誌でお馴染みのモデル松本雄司がプレスルームで最速試着ルポ。前編では「2月から着られる春夏」をコンセプトに、マストバイを12品お届けしよう。
松本雄司:あ。このバッグ、知ってます。
大人男子に支持される「ユニクロ ユー」の今春夏は、「A Sense of Ease(日々の生活にやすらぎをもたらす服)」がテーマ。現代的でタイムレスなワードローブの軸がブレることはないが、最近は小物・アクセサリーを中心に定番デザイン化が盛んだ。
その筆頭が、1年前の春夏に初登場し、前秋冬もアップデート版が登場した「ドローストリングショルダーバッグ」。荷物量に応じてフォルムに変化が付く巾着型のデザインが好評を博していた本作、定番カラーのブラックは今後も展開がありそうだが、新色のダークグレーは確実に今春夏だけの限定カラーだ。
②バケットバッグ(ミドル) ¥2,990
完全に新作の「バケットバッグ」は大小2サイズ展開。巾着型のドローストリングバッグをタフな構造に差し替えたナップサックデザインだ。手持ちとショルダーの2WAYで春先の遠出にちょうどよい。
注意点は双方のカラーバリエーション。ミドル(小)サイズは「ダークグレー・ナチュラル(写真)・イエロー(薄いブラウン)」の3色展開だが、ラージ(大)サイズは「ブラックとブラウン(写真)」の2色のみ。5色ともカラーが被らないため、迷ったら大人買いもお勧め。
4アイテム目でようやくウェアを選択。
冬から春への移行期に重宝する、綿70%・麻30%混紡の「Vネックセーター」はマストバイだ。シャツをインすると着膨れするほどに浅いVネックのため、インナーにはチラ見せさせる程度のTシャツが好ましい。
シーズン毎に濃淡の差はあれど、クリストフ・ルメールが率いるパリのデザインチームが提案する「ユニクロ ユー」のアイコンカラーはいつもブラウンと決まっている。3色展開のVネックセーターにもそれに近いテイストのナチュラルとカーキがあるが、まずは絶対に間違いのないブラックをゲットしておこう。
ダウンジャケットに慣れ切った世の大人男子をライトアウターへと誘わねばならない重要ポジションの「ユニクロ ユー」春夏。珍しく発売日が1月から2月に1ヵ月ほど後ろ倒しになっており、機会損失は逃さない。アウターの売れ行きはいつもより激しそう。
加えて、カプセルコレクションの商品構成はウィメンズが26型でメンズが20型と差があり、メンズのアウターに関してはたった3型しか用意がない。数字上ではメンズの提案力が弱い印象だが、オーバーサイズトレンドとユニセックス提案は継続し層の薄さをウィメンズがカバーする。この「ナイロンポンチョ」も然り。
バケットバッグのミドルサイズに収納してしまえるほどにコンパクトなナイロンポンチョ。ナイロンアウターでは珍しい変形ダブルブレストのデザインが、隙間風なく春一番をシャットアウトしてくれる。ファスナーの開閉でニュアンスに変化を付けて着こなしたい。
ピンクとイエローの展開もあるが、やはり大人男子にはダークグレーがいち推し。最大サイズのXXLは男女双方からの需要が重なり早期完売確実だ。
最近のユニクロ展示会での提案型コーディネートや店舗で無料配布される「LifeWear magazine」の誌面でも、ジェンダーのクロスオーバーに「ユニクロ」は積極的。まだ肌寒い2月を想定し、ウィメンズとのミックスコーディネートを試してみる。
レイヤードしたアウターは「オーバーサイズステンカラーコート」。グレー・ナチュラル・ダークグレーの3色展開で、綿70%・ナイロン30%の混紡素材。パーツが大き目のミニマルデザインと、アームまで太い極端なオーバーサイズシルエットが持ち味だ。
ちなみに、今春夏の「ユニクロ ユー」で通勤着にも対応するロング丈アウターはこれのみ。クリエイティブなビジネスマンは迷わずゲットしておこう。
コートのディテールをチェックすると、ビッグポケットや大き目のラペルなど各パーツの主張が強め。腰ベルトの代わりに裏地に通したドローコードはステンカラーコートでは珍しいファンクションだ。クリストフ・ルメールならではの提案を楽しんで絞ってみたい。
続いてインナーをチェック。
展示会ルポから注目されていたコットン100%の「ニットポロシャツ(半袖)」は、隠れ人気商品として早期完売しそう。深めの3つボタン、着丈短めで袖が長いリラックスシルエットからは大人の渋さが垣間見える。ダークグレー・ブラウン・オリーブのソリッドカラー3色のうち、松本は悩んだ末にオリーブをチョイスした。
松本:夏用のポロシャツというよりも、これを着てリビングでくつろぎたいです。
コットンポロシャツの上に、ウィメンズの「フーデッドロングコート」を重ねる。フロントボタンが右前であり、一見するとメンズに見える。ダークグレー提案のメンズと異なりブラックが揃っており、黒好きはこれ一択になる。商品は実店舗でもオンラインでもウィメンズコーナーに置かれるので、見逃さぬよう注意しよう。
松本:こっちはポケットに手が入れやすい。
購入時はメンズのオーバーサイズステンカラーコートと比較吟味必須。綿70%・ナイロン30%の混紡素材は同一で、取り外し可能なフード付き。スタンドカラー用に開閉するタブ、深いサイドスリットなど、ディテールはなぜかウィメンズのほうが凝っている。
出ました、新型。
空挺部隊のミリタリーパンツにインスピレーションを得たコットン100%の「ワイドフィットパラシュートパンツ」は今すぐ着用したい。膝周りの可動域が通常のストレートパンツの倍ほどあり、ロングパンツでのリラックス感は歴代「ユニクロ」アイテムで最高峰。
松本の手持ちはダークグレーとナチュラル。今春夏の提案色、パープルも含めた3色展開だ。
ベルトループとサイズ調節用のタブの併用で、裾はドローコード付き。通常のサープラスでは硬いラギッドファブリックだが、この新作は「ユニクロ」でお馴染みのライトなコットン素材で夏までヘビロテ可能。
松本:紫色のパラシュートパンツに後ろ髪を引かれています。この茶色も奇麗です。
ブラウンのポロシャツに同色の「ショートジャケット」を羽織り、さらにバケットバッグ(ラージ)のブラウンを重ねた三重奏コーディネート。コテコテの嫌味にならない品の良さは、さすが「ユニクロ ユー」だ。
カルテットまで狙うなら、前秋冬からの継続商品である「ブロックテックハット」がトドメ。秋冬同様のブロックテック素材でブラウンとブルーの2色展開。
ちなみに、ショートジャケットのインスピレーション源はアメリカ陸軍で1940年代に支給された「M44フィールドジャケット」。もとは表地がウールで裏地にコットンを張った防寒戦闘服を、エポーレットやサイドの金属製バックルなどを排し、パラシュートパンツと同様にカジュアルなLifeWearに仕上げているのだ。
白Tシャツとシンプルに映える大人コーディネートがこちら。パンツの裾のドローコードを絞って表情を加えるなどスタイルの構成は念入りに。自然体で取り入れるあえてのパープルを印象づけたい。
最後は、今まで着用していたブラックの「ニットスニーカー」をオフホワイトにチェンジ。
白Tシャツにはオーバーサイズステンカラーコートのナチュラルを重ね、ホワイトを軸に量的優位に立ってみる。パープルの弾けるインパクトを打ち消し、柔軟に受け入れるスタイリングテクニックだ。
松本:紫色、もっと着てもいいですか?
2月10日(金)に発売される「ユニクロ ユー」2023年春夏試着ルポ、前編の「今すぐ着られる」12選は以上。後編では、半袖シャツや早期完売必至のショーツ、進化したサンダル、盲点のパープルコーディネートなど春夏オンシーズンアイテムを徹底試着する。
近日公開。乞うご期待!
ユニクロの2022年秋冬、買い逃しはない?
Model: Yuji Matsumoto
Text: Takafumi Hojoh