2023.01.06
最終更新日:2024.03.08

【スタイルがある大人の2023年の着こなし#06】古生物学者は「生き物も服も古いものに魅力を感じる」

冬に着る服も、その着こなし方も決まっていて、どうするべきかわかっている=スタイルがある男たちの話をまず聞いてみた。東京をはじめ、福岡、ミラノ、パリ、ニューヨークの8人の気分とは?

【スタイルがある大人の2023年の着こなの画像_1
平沢達矢/東京さん  全身コーディネート

TATSUYA HIRASAWA 平沢達矢/東京 THE UNIVERSITY OF TOKYO Associate Professor

Coat:
Cut&Sewn:
Jeans:
Boots:

BOOTLEGGERS REUNION
FREEWHEELERS
FREEWHEELERS
DANNER


生き物も服も古いものに魅力を感じる


古生物学者であり東京大学准教授の平沢さん。大自然に赴いてのフィールドワークも多く、基本のワードローブはワークウェア。その選び方すら研究者らしい。「“失われた時代”にロマンを感じます。数億年前の生物の不思議を探究することとヴィンテージの洋服を掘ることは似ている。ポケットのつき方一つとっても時代背景と経緯に興味が湧きます。原型を知り、ヴィンテージをひととおり着てきましたが最近は現代的なフォルムに調整された新品を選ぶことも。論文もそうですが、いまクールなのかダサいのか、時代のムードを読み取る美意識は重要。だからファッション誌を読み込むことも多いです」。


A1930年前後のデザインのブートレガーズ リユニオンのワークコートは研究室に置きっぱなしの道具のような存在。「ほこりをかぶりそうな書籍の整理やちょっとした作業時に便利。ヴィンテージを再現しながらシルエットは微妙にモダンにアップデートされています」。

B「1937年のリーバイスにほぼ忠実な一本は長らく欲しかったモデル。小学生の頃から古生物学者になりたかったし、当時は空前のデニムブーム。汚れても破けてもいいフィールドの制服としても、世代的にもデニムが大好き。孫の代まで困らないほど持っています(笑)」。

C20年前に買ったダナーライトは今でもフィールドワークで活躍中。使い込まれ、味の出た佇まいがかっこいい。「ソールは4回張り替えました。若い頃は早くプロになりたい気持ちが強く、研究と生活に境目がないモノを選んできた。そのスタイルは今も変わりません」。



Photo:Teppei Hoshida 
Text:Takako Nagai

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