1912年の創業以来、数々の名品を世に送り出してきたアメリカ発の老舗アウトドアブランド「L.L.ビーン」。今年110周年を迎えることもあって、ブランドの歴史を振り返るような新作からも目が離せない。大人がこの冬に買うべき10アイテムを、定番と新定番に分けてピックアップした。

01│定番│ケアフリー・アンシュリンカブル・タートルネック

待望の復活を果たした隠れたロングセラー
発売から30年以上という長い間愛され続けてきたタートルネック。2019年に生産終了となっていたが、世界中の多くのファンからの要望により復活した隠れた名品だ。素材には柔らかくて肌触りの良い6オンスのコットンジャージー・ニットを採用。洗濯を繰り返すほどソフトになり、縮みや色褪せがしにくく、シワや毛玉もできにくい。
全体的にゆったりとしたシルエットで、タートルネック部分にはストレッチ性があるためほどよいフィット感。丈夫な二重縫い仕上げなので、ガンガン洗濯してもヘタらない。コスパも抜群なので、色違いでのまとめ買いがおすすめ。全6色展開。
02│定番│ボート・アンド・トート・バッグ(オープン・トップ)

226kgの重さにも耐える、トートバッグの原点
1944年、氷を運ぶバッグとして当時のカタログで紹介されたのがL.L.ビーンのトートバッグの原点。「ボート・アンド・トート・バッグ」は1965年のカタログで再登場して以来、米国メイン州の自社工場でハンドメイドにこだわって作られている。
ボディには24オンスのコットン・キャンバスを使い、オーバーラップ部分は丈夫なナイロン糸でダブルステッチ仕上げ。自社のラボではXLサイズで約226kgの耐久テストにもクリアするほど頑丈で、縫い目が劣化したりほころんだりしにくい作りになっている。写真のモデル(Lawn Green)は今季の新色で、シーズンごとに限定発売するシーズナルカラーだ。
03│定番│エル・エル・ビーン・ブーツ(8インチ)

クリーンな着こなしにも似合う今年の新色
創業以来、ブランドのアイコンとして君臨する通称「ビーン・ブーツ」。沼地でのハンティングを快適に楽しむために生まれたこのブーツは、アッパーに高品質なフルグレイン・レザーを使用。土踏まずに入れたスチール製の補強材とチェーン・パターンの溝入りゴム製アウトソールにより、安定感とサポート力を発揮。歩きやすいだけでなく、雨や雪に対する強さも兼ね備えている。
現在でもMade in USAにこだわり、手作りで仕上げる生産工程は100年前と変わっていない。定番カラーのタン/ブラウンも魅力的だが、新色のバジル/ブラック/セイルオレンジの組み合わせは、より都会的でシックな着こなしに合わせやすい。
04│定番│シャミー・クロス・シャツ

職人技が光るソフトな起毛加工
1933年からのロングセラー商品で、普通のネルシャツよりも厚手となる7.5オンスのフランネルを使用しているのが特徴。鹿革のように厚くて丈夫なだけではなく、ポルトガルの熟練した職人たちが丁寧な起毛加工を施しているため、肌触りはソフトでしなやか。
全体的にゆったりしたシルエットで、肌寒い日はシャツ・ジャケットとして、寒さが厳しい季節にはレイヤーとしても重宝する。カラー展開は全7色と豊富だが、今季トレンドのブラウン系との相性を考えるとネイビーが一押し。
05│定番│エル・エル・ビーン・セーター・フリース・プルオーバー

セーター感覚で着こなせるフリースジャケット
見た目はセーターのようだけど作りはフリースという、L.L.ビーンの定番素材を使ったプルオーバージャケット。アウトドアっぽさが薄まった表情で、セーターのようにさらっとした上品な着こなしにも合わせやすい。
ウールセーターのようなチクチクした肌触りがないうえに、セーターよりも丈夫でタフなのも魅力。裏地は起毛加工を施した暖かい作りなので、アウターとしてもレイヤーとしても使える。襟ぐり、袖口、裾、ポケットの入り口部分に施されたジャージー素材のバインディングが着こなしにアクセントを加えてくれる。写真のブロックタイプは全4色展開。
06│定番│ヘリテージ・セーター、ノルウェージャン クルーネック

古着市場でも人気のバーズアイセーター
1980年代に一世を風靡して以来、ロングセラーとなっている「ノルウェージャン・セーター」。模様が鳥の目のようになっていることから「バーズアイセーター」とも呼ばれていて、古着市場で人気を博しているアイテムだ。今年はブランド誕生110周年にちなんでバーズアイ柄のトートバッグなどもラインナップしており、定番のセーターにも新色が登場した。
ゆったりとしたシルエットは当時のまま。素材には高品質ウール100%を使い、首回り、袖口、裾はリブ編み。ノルウェーの職人によってひとつひとつ丁寧に手で仕上げられている。厳しい寒さの中でも暖かさを保ってくれる厚手の生地なので、これからの季節に必携の一枚。
07│定番│グローサリー・トート

おしゃれなエコバッグの代名詞
2020年7月にはじまったレジ袋の有料化以降、爆発的な人気を集めている「グローサリー・トート」。コラボや別注も数多く展開し、コスパの良さから色違いで購入する人も続出。エコバッグとしてはもちろん、旅行やキャンプ、スポーツジム用と、幅広いシーンで重宝する。
素材は11オンスのコットン(Naturalのみ10オンス)で、折りたためるソフトな素材。Natural以外のカラーは裏に透明のポリウレタンコーディングが施されているので撥水の効果も。文字やモチーフの刺繍サービス(有料)にも対応している。全8色展開。
08│新定番│ビーンズ・クラシック・ラグ・ウール・セーター

コーディネート力が試されるロゴセーター
アーカイブにあった伝統的なデザインを忠実に再現した新作セーター。ブランドを象徴するカタディンロゴを全面に押し出したデザインは、コーディネートのアクセントにもぴったり。高品質なラムウールを使って編み上げているので、着回しやすい中程度の厚さながら暖かさは抜群だ。
首回りにはL.L.ビーン独自のインターシャ柄(編地の中で糸を切り替える編み方)をあしらい、デザイン性をプラス。すっきりとしたシルエットなので、ややオーバーサイズで文化系アウトドアな着こなしを楽しもう。
09│新定番│カタディン・フリース、フルジップ

ありそうでなかった定番モデルのフルジップ
L.L.ビーンの定番フリースとして人気の「カタディン・フリース」に待望のフルジップタイプが登場。いままではプルオーバータイプのみの展開であったが、2021年にウィメンズが先行して発売。2022年秋冬にようやくメンズもリリースされた。
両面に起毛加工を施したソフトな肌触りだが、耐摩耗性のある素材を使用しているので様々なアクティビティを最適にサポート。汗などの湿気を逃し、快適な着心地を提供してくれる。全6色展開。
10│新定番│マウンテン・クラシック・クロスボディ・バッグ

ヘリテージが詰まったミニバッグ
90年代のアーカイブから復活して人気のアウター「マウンテン・クラシック・アノラック」をヒントにデザインされたボディバッグ。素材にはアノラックと同じ軽量で撥水性のあるナイロン素材を使用し、外出時に必要なスマホや財布といった小物の収納にちょうどいいサイズ。
ジッパープルには「ビーン・ブーツ」からインスパイアされたデザインを採用し、ポケット上部には本社がある米国メイン州のカタディン山をモチーフにしたテープをあしらうなど、ブランドのヘリテージが詰まっている。全5色展開。
TEL:0422-79-9131
Stylist:Yuichi Udagawa
Composition & Text:Tadayuki Matsui