今ではフリースという名称で広く浸透しているが、この機能素材の生みの親がパタゴニアだということは、アウトドアファンなら周知のこと。この秋は従来のフリース製品に加え、両面シンチラフリースの新作コレクションが登場。着た瞬間から暖かいシンチラアイテムを、この機会にチェック!
01:シンチラ・ジャケット
アウター感覚で着られる肉厚なフルジップデザイン
1987年に登場したシンチラ・ジャケットを彷彿とさせるクラシックなデザイン。いろいろな着こなしが楽しめる、フルレングスのファスナーを採用したスタンドアップカラー。襟裏やポケット、トリミングにあしらわれたナイロンは補強とアクセントを兼ねる。両面起毛の中厚シンチラは裏地はなくともしっかりとした生地で、一枚でアウターとして着るにもちょうどいい。
新作「シンチラ」シリーズはすべて、毛玉防止加工を施したリサイクル・ポリエステル100%の両面フリースを使用。そして工場の従業員にプレミアム賃金が支払われる、フェアトレード・サーティファイド(公正貿易認証)の縫製を採用しているのはいわずもがな。タグには「Repair/Recycle/Reuse this product at wornwear.com(この製品をリペア リサイクル リユースしよう!)」というパタゴニアのメッセージも記されている。ポケット裏地には通気性にすぐれたメッシュを採用。
ちなみにシンチラ(Synchilla)は、人工的な素材であることを示す”シンセティック(synthetic)”と南米の山岳地帯に住むネズミのような小動物”チンチラ(chinchilla)”を組み合わせた造語。1970年代後半からパタゴニアとモルデン・ミルズ社(現在のポーラーテック社)が開発を進めて1980年代初頭に製品化され、一世を風靡した。シンチラはパタゴニアの登録商標のため、後年はフリースの名称が一般的に。
02:シンチラ・ベスト
シンチラ入門アイテムとしてもおすすめのベスト
ジャケットと同じデザインのクラシックなフルジップベスト。肉厚で暖かく、インナーレイヤードだけでなく、ライトアウターの上に羽織る着こなしも今年はおすすめ。アウトドアでのアクティビティはもちろん、袖がないからデスクワークがしやすく、室内の防寒着としても重宝する。
写真のセコイアレッドは秋冬の着こなしに華を添えてくれるシーズンカラー。定番色と相性がいいのも魅力。ベーシックなブラック、ニューネイビー、オートミールヘザーの展開もあり。
03:シンチラ・カーディガン
Vネック&ファスナーだからこその使い勝手のよさ
Vネックタイプのシンチラアウターが登場するのは久しぶりということもあり、再販を待ちわびたファンも多いはず。防寒性としては前出の2者=スタンドカラーに軍配が上がるが、ファッションユースを考えると、Vネックタイプのカーディガンは最強。ユニセックスだからパートナーとシェアするのも一案だ。
シャツやタートルニットとのレイヤードはもちろん、ストールをミックスするなど、ネックまわりのコーディネートを考えるのが楽しい。3色展開でブラックのみワントーン(ほか2色は配色)。ファスナー引手のブルーグリーンがほどよいアクセントに。
04:シンチラ・パンツ
スウェットのオルタナとして今年こそトライ
こなれ感の演出として、街着でもスウェットパンツが復活中。コーディネートをアップデートするならシンチラ・パンツに挑戦してみてはいかがだろうか? 今シーズンのものは、トリミングのあしらいでほかのアイテムと統一感を持たせた新デザイン。裾絞りのシルエットも含め、スウェットパンツのオルタナとして要注目だ。
写真のクライミング ツリー イカット:ニューネイビー(Climbing Trees Ikat: New Navy)は、今季の新柄。イカットはアジア風の絣柄のこと。どこかエスニックなパターンはパタゴニアの得意技だ。迷彩風でもあり、コーディネートの鮮度を上げてくれること間違いなし!
大人が買うべき「パタゴニア」
Stylist:Takumi Urisaka
Composition & Text:Hisami Kotakemori