すべての素材で循環型のシステムを確立することを目指すパタゴニア。漁網リサイクルに続き、Tシャツのリサイクルプロジェクト「ティーサイクル」が始動した。その一環として、7月14日から全国の直営店でパタゴニア製のコットンTシャツを回収する「テイクバック・プログラム」もスタートする!
Tシャツを廃棄せずリサイクルするシステムを確立
「Tee-Cycle™(ティーサイクル)」プロジェクトによって、2022年春夏の新作として発表されたのが今回紹介するティーサイクル・コレクションだ。パタゴニアはフィンランドのインフィニテッド・ファイバー社(IFC)とパートナーシップを組み、着古したコットンTシャツから綿のようにナチュラルなセルロース繊維「インフィナ」を製造。これに自社工場から出る綿の端切れを混紡して、Tシャツをつくった。
ティーサイクル・コレクションのTシャツは、ネック部分のこのプリントが目印だ。
最後に「70%が未使用コットンのリサイクル(工場からの端切れ)、30%が使用済みコットンのリサイクル素材INFINA™(インフィナ)繊維」とTシャツの素材成分が記載され、パタゴニアロゴの下には「フェアトレード・サーティファイド(公正貿易認証)縫製」のアイコンも。
ティーサイクルを支えるのが、着古したパタゴニア製のコットンTシャツを回収する「テイクバッグ・プログラム」。昨年秋から関東のパタゴニア直営店で先行スタートしていたが、7月14日から全国の直営店に拡大する。
ティーサイクル・コレクションのグラフィックは全部で3タイプ。グラフィックにもさまざまなメッセージが込められているので、読み解くのも楽しい。
01:ティーサイクル Change Breeze:Birch White
風力発電の風車モチーフが新鮮な白Tシャツ
ティーサイクル・コレクションのメイングラフィックはすべてバックにプリントされている。フロントは左胸にそれぞれのグラフィックと連動したワンポイントロゴが。
風の流れにまかせて無駄をなくそう! というメッセージをこめた「チェンジ・ブリーズ」。風力発電の風車のモチーフのまわりには「リデュース、リユース、リペア、リメイク」の文字が。メッセージ性のあるTシャツは、ときにコミュニケーションのきっかけにもなってくれる。
02:ティーサイクル Spring Cycle Light:Plume Grey
くすんだプルームグレーにフラワー柄が映える
野生のアスターとアキノキリンソウを、循環をイメージさせるグラフィックに落とし込んだ「スプリング・サイクル」。この2つの植物は、同じエリアで育ち、競わずに共生して花粉を運ぶ虫をより多く寄せ集める特性を持つ。
くすんだブルーの色みがファッションのトレンドにマッチ。ホワイトジーンズに合わせてクリーンに着こなすのはもちろん、フレアパンツで70’sテイストに振ってみるのも今年はあり。
03:ティーサイクル Yucca Flow:Garden Green
ユッカを同色で描いたワントーンのガーデングリーン
バックやロゴまわりに描かれているのは、南カリフォルニアの砂漠気候にも負けずに繁殖するユッカの低木。回復力と忍耐を象徴する「ユッカ・フロー」は、アーシーなガーデングリーン。グラフィックやロゴもトーン・オン・トーンで、取り入れやすいデザイに。
チノパンやグルカショーツなどベージュボトムと相性抜群のグリーン系。シティカジュアルにアウトドアテイストを添えたいときにも活躍してくれる。
04:ティーサイクル Change Breeze:New Navy
ニューネイビーはグリーン系が差し色のモダンな配色
「リデュース、リユース、リペア、リメイク」を文字でも循環をアピールする「チェンジ・ブリーズ」のカラーバリエーション。明るめのネイビーにグリーン系の差し色が上品で、きれいめカジュアルにもぴったりの一枚。
ティーサイクル・コレクションは、襟などが伸びないようにバインディングテープをネックから肩まで配するタコバインダー仕様。型崩れせずに、長く愛用できるディテールもパタゴニアらしい。
夏に向けて大人が買うべき「パタゴニア」
Stylist:Takumi Urisaka
Composition & Text:Hisami Kotakemori