暑い季節のスタイリングは、シンプルゆえに面白みに欠ける。個性豊かなスタイリスト3人が独断と偏見で、単調になりがちな夏の着こなしをフレッシュに見せる「ひと手間」のテクニックをレクチャー!
片貝 俊
シンプルスタイルを洗練させた品のいいカジュアルが好評。30〜40代に適切なかわいげの演出も得意。
池田尚輝
天然素材やアウトドアウェアをミックスして、モードを日常に落とし込むスタイリングにファン多数。
松川 総
音楽や映画などのカルチャーに造詣が深く、カジュアルでも奥行きのあるスタイリングを提案する。
キャップのツバを手で曲げ、下ろしたてに見せない
カラーキャップはいいアクセントになるけど、下手すると浮いてしまう。特に硬くて水平なツバは、かぶる前にしっかり曲げておくことでスタイリングに馴染みやすくなります。新品のキャップをあえてきれいに身につけるストリートカルチャーもありますが、僕はまったく通ってないので、どんなキャップでも使い慣れた感じで曲げてます。(松川)
キャップ¥8,800/ディセンダント シャツ¥35,200 /ヘリル(にしのや) Tシャツ¥13,200/エイチ ビューティ&ユース メガネ¥49,500/アヤメ グラスコード¥4,290/フューシャ(コンティニュエ)
まっすぐなツバは
面白みがない
バケットハットは思いきって目深にかぶる
かわいげを狙うなら浅くかぶっても問題ないですが、正直キャラを選びます。大人は、いっそぐっと目深にかぶるくらいがかっこいい。やや前に倒すイメージで、目元に影ができるくらいの深さが◎。コットン素材のニューヨークハットやアウトドア系のサファリハットでも同様です。(池田)
ハット¥11,000/インアット(インアットデザイン) シャツ¥28,600/ルーマー(alpha PR)
このかわいげ感は
人を選ぶ
ベルト先を挟んで垂らしてバランスよく固定する
余ったベルトの端をただ垂らすだけだとブラブラして不安定だし、芸が足りない。そこでオススメしたいのは、写真のように挟んで垂らしてベルトの裏を見せる方法です。好みの位置に固定できるし、見え方も程よくラフでスマート。タックアウトのときでもアクセントになるし、トップスに“あたり”が出なくてオススメです。(池田)
ベルト¥9,900/マスター&コー(MACH55 Ltd.) シャツ¥44,000・パンツ¥63,800/カル
バンダナをデニムのヒップポケットから3センチほどのぞかせる
人気再燃中のウォッシュドデニムは、いなたい印象になりやすい。そこでヒップポケットにポイントをつくってみましょう。きれいなチーフやハンカチではなく、定番のバンダナをガサッと突っ込んで見せるのが粋。僕は3㎝ほどのぞかせます。洗いをかけて程よくかすれたバンダナだと、デニムとの相性も抜群です。(松川)
ヴィンテージのバンダナ¥1,650/メイデンズショップ デニムパンツ¥24,200/リーバイス®(リーバイ・ストラウス ジャパン) ポロシャツ¥30,800/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー)
民族調のサコッシュバッグを折ってクラッチのように使う
ショルダーひも付きの柔らかいコットンバッグや手芸系のバッグは、夏の単調なスタイルに変化をつけられてオススメ。さらに僕がやっているのは、ひもを中にしまってクラッチのように持つスタイル。逆にクラッチを探すとドレスライクで使いにくいものが多いですが、こんなテイストのものを小脇に抱えるとハマります。(池田)
バッグ¥26,400/ストーリー エムエフジー(LANTIKI CENTRAAAAAL) スウェットシャツ¥20,900/バンブーシュート ショーツ¥19,800/ダイワ ピア39(グローブライド)
遊び心が
全面に出すぎ
スカーフの先を外に出して柄の違いや華やかさを楽しむ
無彩色のTイチは簡素に見えがち。差し色としてスカーフを巻くのはすでにやっている人も多いですよね。ただネックの中にすっぽり収めるのは確かに上品ですが、思いきってふんわり出して風にそよがせたほうが、暑苦しくないし華がありませんか? 縁取りされているなど、全見せすることで楽しめる柄だとなお効果的です。(片貝)
スカーフ¥23,100/ユーゲン(イデアス) Tシャツ¥16,500/スタジオ ニコルソン(インコントロ)
Photos:Teppei Hoshida
Hair&Make-up:Kousuke Hirose
Stylists:Naoki Ikeda Shun Katakai So Matsukawa
Models:Yuji Matsumoto Hisaki Hayashi
Text:Takako Nagai