サンダル界の王者、ビルケンシュトック。完成された機能&デザインで、いつの時代も愛用者が多数。それゆえに、夏の足元はいつもビルケン一択!になっていませんか? この状況に一石を投じるべく、ビルケンの定番サンダル4型それぞれに強力な対抗馬をマッチアップ、徹底的に履き比べた。軍配やいかに?
ダブルストラップ対決
履き比べたのは…
本命BIRKENSTOCK Boston
革靴気分で楽しめるボストンはフォルムが最も好き 安武俊宏さん
足の甲がしっかりと覆われたボストンは、いつものシューズ感覚でコーディネートにハマるサンダル。優しげなブラウンのスエードは、大人っぽい雰囲気を出しつつ、どこか抜けたムードも。¥20,900/ビルケンシュトック(ビルケンシュトック・ジャパン カスタマーサービス)
対抗 1STUDIO NICHOLSON Slip On Crog
シンプルながら、細部まで計算し尽くされた逸品 松岡歩さん
一枚のレザーで仕上げられたミニマルなデザインが特徴。コックシューズのようなラフさと、キメ細かなカーフスキンによる上品さを兼ね備え、どんな服にも馴染みやすい。熱による立体成型で、型崩れしにくいのもポイント。¥69,300/スタジオ ニコルソン(インコントロ)
対抗 2ecco 2ND COZMO CLOG MEN’S WOOL CLOGS
夏休みに履きたいリラックスムード満点! 渡邉秀嗣さん
コンフォートシューズと革小物を作るデンマーク発のブランド、エコー。温もりのあるデザインに対して、自社生産にこだわったプレミアムレザーを使用することで、素朴になりすぎず、上質な佇まいをキープ。¥20,900/エコー(エコー・ジャパン)
対抗 3TOM WOOD × SUICOKE MAKO スリッポンサンダル
トレンドのグリーンはストリートっぽく履きたい 豊島猛さん
日本発のスイコックとノルウェー発のトムウッドのコラボレーションモデルは、丸いフォルムと鮮やかなグリーンの組み合わせが新鮮。曲線的なカッティングを丁寧な縫製で仕上げたやわらかい表情も魅力だ。¥51,370/トムウッド × スイコック(トムウッド プロジェクト)
A.履き心地
エコーのラムウールボアはクセになる(豊島)
渡邉 履き慣れた安心感では断然ビルケンですが、今日はいろいろ試せて新鮮。
豊島 エコーの履き心地が気持ちよすぎました。裏地のもこもこしたラムウールのボアに足が包み込まれて、やみつきになりそう…。甲幅が狭めで面ファスナーでぴたっと留められるから、足が遊ぶこともなくフィットします。
渡邉 同感です。僕は素足での履き心地を重視しているので、肌当たりのいいエコーを1位にしました。
安武 個人的にクッション性がよかったのはトムウッド×スイコック。弾むような歩き心地のフットベッドとソールでした。
松岡 僕は硬めのスタジオ ニコルソンも好き。リラックス感はないものの革靴のように足が固定されて歩きやすい。
安武 しかもアッパーが長くて甲高も低めだから、しっかり足にホールドして脱げにくいですよね。
人間工学に基づいたラストと、軽量素材のソールを採用したエコー。面ファスナーでフィットの調整も可能で、快適さは抜群。
B.合わせやすさ
どれも革靴のような見た目で、合わせやすさは拮抗(安武)
安武 クロッグ型というだけで、そもそも合わせやすい。サンダルにありがちな、足元が軽すぎたり、だらしなく見える心配があまりないから…。
渡邉 特にビルケンは完成された定番品だけあって、何にでも合いますね。いなたいミリタリーパンツにもマッチするし、キレイなスラックスのハズシにしてもいい。
松岡 確かに。ほかの3足はスタイリングの方向性が決まってくるかも。
豊島 トムウッド×スイコックは、太めの白パンに合わせてストリートなノリで履けたらオシャレかな。
松岡 なるほど。逆にキレイめに振ると決めちゃえば、スタジオ ニコルソンは簡単じゃないですか?
安武 ほとんど革靴と同じ感覚ですよね。あとは黒のミドル丈ソックスを合わせて、ブーツのような見え方にしても面白そう。
松岡 同じこと考えてました!
ソックスの分量が見えすぎないボストンは、カラーソックスのチラ見せで遊ぶのが楽しい。もちろん白ソックスとも好相性。
C.デザイン
いい意味で装飾のないデザインが今の気分(渡邉)
渡邉 デザインはそれぞれまったく異なる4足ですよね。ビルケンはほっこり枠で、ニコルソンはモダン、エコーはカジュアルで、トムウッド×スイコックは飛び道具的…。
豊島 トムウッド×スイコックは、ソールの形も独特だしハイプな印象ですよね。発色もキレイ。
渡邉 鮮やかなカラーを取り入れたい僕としては断然アリですし、夏らしいアクセントになると思いました。
安武 真逆のデザインですが、ニコルソンの一足は、匿名性が玄人っぽくてシャレてません?
松岡 わかります。誰かが履いていたら「それどこの?」って聞いちゃう。スクエアがかった丸いトウが絶妙で、洗練されているな、と。
渡邉 匿名性でいうとエコーもよかった。カジュアルな一足で誰もが履きやすく、いい意味で大衆的なデザインだと感じました。
ありそうでない、ミニマルなデザインが特徴のスタジオ ニコルソン。スラックスをクッションさせると、ほぼ革靴の見え方に。
結果発表
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Stylist:Masashi Sho
Text:Takako Nagai