おしゃれな大人は高くても、手頃なものでも「本当に価値あるもの」を選ぶ審美眼を持っている。
松川 総さん(スタイリスト)
カルチャーに造詣が深く、男らしさのあるスタイリングが持ち味。ファッションへの愛と人あたりのよさで、俳優やアーティストからも信望が厚い。写真集など資料への投資も惜しまない。
高くていいもの。
クロムハーツのレザー&シルバーアクセサリー
ジル サンダーのスラックス
ジェイエムウエストンやオールデンの革靴
手頃でいいもの。
古着のスニーカーとメッシュキャップ
ワコマリアのプリントスウェット
フーディニのベスト
B級古着もメゾンのベーシックも結局は自分が好きかどうか
20代、30代で試行錯誤を繰り返し、少しずつ自分に合わないものが削ぎ落とされてきました。だから40歳になった今、手元にあるのは自分が変わらず好きなものだけです。ただ収集癖は健在で(笑)、本当に欲しいと思ったら金に糸目をつけないかも。クロムハーツがその好例ですが、逆に500円でも自分が好きならそれは宝物です。ここ数年はB級品的なメッシュキャップやこの先復刻されなさそうなスニーカーを古着屋で見つけるたび、「買ってくれ!」と言われている気がして(笑)、買い集めています。メゾンブランドは「俺のキャラじゃないな」と長い間興味がなかったんですが、ジル サンダーのパンツと出会ってからはメゾンのベーシックの魅力もわかるように。やはり何でも着てみないとわからない。自分の選択肢が広がりました。
Photos:Yuichi Sugita[POLYVALENT]
Text:Hisami Kotakemori
Text:Hisami Kotakemori