2022.03.17

パタゴニア精神の原点を知る。「クリーンクライミング」カプセルコレクション

パタゴニアが環境保全に取り組む原点となった「クリーンクライミング」。50年を経て、今なお色褪せないメッセージをカプセルコレションに落とし込んだ。素晴らしいプロダクトとともに、その歴史をお届けしよう。

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パタゴニアが環境問題に取り組んだ原点をシェア

パタゴニアの創設者イヴォン・シュイナードは、筋金入りのクライマーだった。彼のビジネスがクライミングギアを売る「シュイナード・イクイップメント」からスタートしたのは周知のエピソード。60年代後半からスタートした同社は、1970年にはアメリカ最大のクライミングギアメーカーになっていた。



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クリーンクライミング」のギアを肩にかけた1972年頃のイヴォン・シュイナード。 Tom Frost© 2022 Patagonia, Inc.

イヴォンは自分たちが販売しているピトン(岩に打ち込む登攀ギア)が岸壁を傷めていることに心を痛め、会社の売り上げのメインだったベストセラー製品のピトンから「クリーンクライミング」のギアとして脚光を浴びたチョック(岩の隙間に滑り込ませるタイプの登攀ギア)への切り替えを提案。



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1972年につくられたシュイナード・イクイップメント初のメールオーダーカタログ。 ©2022 Patagonia, Inc.

1972年に自社初となるカタログ冒頭に、環境に対するピトンの悪影響についてメッセージを掲載。さらにシエラで「クリーンクライミング」を実践していた有名クライマー、ダグ・ロビンソンによる「クリーンクライミング」への手ほどきを14ページに渡って載せた。


クライミング界初の環境保護運動であり、社運を賭けたこの挑戦は、スポーツの技術とコミュニティの精神を根本的に変えた。同時にパタゴニアの「地球を救おう」という取り組みの原点にもなっている。


「クリーンクライミング」カプセルコレクション

コレクションには「クリーンクライミング」を表現するロゴがあしらわれたり、ダグ・ロビンソンによるエッセイが裏地にプリントされている。どの製品もフェアトレード・サーティファイド(公正貿易認証)縫製とリサイクル、オーガニック・コットンなど環境に配慮した素材を採用するスタイルは変わらず。



カプセルコレクションの一部には、ダグ・ロビンソンによる『The Whole Natural Art of Protection』より抜粋されたエッセイの原文が裏地にプリントされている。


キャプリーン・クール・デイリー・グラフィック・シャツ

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Tシャツ¥5,060/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)

「クリーンクライミング」ロゴが同系色であしらわれた、品よく着られるロゴT。ボディはパタゴニア独自のテック素材「キャプリーン・クール」。速乾性と伸縮性に優れ、ハイキュ・ピュア防臭加工が施されている。デイリーからアウトドアまで幅広く活躍。


コットン・イン・コンバージョン・ミッドウェイト・ラグビー・シャツ

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シャツ¥13,750/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)

山や海、自然を感じるグリーン、ブルー、オレンジイエローの配色が新鮮。春の着こなしの鮮度を上げてくれるラグビーシャツは、今シーズンの新作。有機栽培されたコットン・イン・コンバージョン(オーガニック認証への移行期のコットン)素材。


ベンガ・ロック・パンツ(レギュラー)

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パンツ¥13,200/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)

オーガニックの最高水準である環境再生型のRO(リジェネラティブ・オーガニック)認証を受けたコットンに、ポリウレタンを混紡したハイストレッチ素材でアップデート。ロック・クライミングにも対応する本格派。風合いはコットンなのでデイリーカジュアルにもおすすめ。


アルプライト・ダウン・プルオーバー

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プルオーバー¥34,650/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)

漁網をリサイクルした薄手のリップストップ・ネットプラスに800フィルパワーのアドバンスト・グローバル・トレーサブル・ダウン(動物福祉基準を満たす認証ダウン)を詰めた軽量コンパクトなダウントップス。PFCフリーDWR加工(過フッ素化合物不使用の耐久性撥水コーティング)で小雨程度を弾いてくれる。季節の変わり目やキャンプシーンに欠かせない。


マクルーア・ハット・クライム・クリーン

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キャップ¥5,500/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)

ネットプラス素材を使用した速乾性に優れたナイロンキャップ。サイドはパンチングメッシュでフィット感も抜群。クライミングギアの総柄グラフィックも、ネイビーだから大人っぽくかぶれる。


RPS ロック・パンツ(レギュラー)

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パンツ¥15,400/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)

パタゴニアの化繊パンツの中でも最軽量を誇る、ネットプラスナイロンにスパンデックスを混紡したシャカシャカタイプのクライミングパンツ。PFCフリーDWR加工で撥水性があるのもうれしいポイント。テック感があり、デイリーカジュアルをスポーティに演出したいときお役立ち。


フリクション・ベルト

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ベルト¥3,850/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)

ストラップとしても利用可能なリサイクル・ナイロン・ウェビングベルト。腐食防止加工済みアルミニウム製バックルで、長くクリーンに使い続けることができる。アクセントに使いやすいカラーリングにも注目。


メッセージだけでなく行動で時代を牽引

1972年、「クリーンクライミング」を提唱した「シュイナード・イクイップメント」には当然批判が寄せられた。そこで、イヴォンは若手クライマーを連れて、ハンマーやピトンなしで、エル・キャピタン(ヨセミテのロック・クライミングの名所)のノーズルートの登攀を完遂。この行動によってカタログ発送から数か月でピトンに替わって、チョックが看板商品になった。



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1960年代にヨセミテでビジネスを始めたころのイヴォン。大きな決断と挑戦によって時代に警鐘を鳴らし続ける。 Tom Frost© 2022 Patagonia, Inc.

イギリスが発祥の「クリーンクライミング」は、ギアが粗雑だったことが普及にストップをかけていた。イヴォンたちがその品質を引き上げ、環境に優しく、安全な製品に変えたことは言うまでもない。



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岩を傷つけない「クリーンクライミング」スタイル。 Eliza Earle© 2022 Patagonia, Inc.

「『クリーンクライミング』とは岩を変化させることなく登る自然なスタイル」と説いたタグ・ロビンソンの言葉は、愛する地球に負担をかけず楽しんで生活する、現代のパタゴニアの理念に通じている。


最後にイヴォンからのメッセージを紹介しよう。


「クリーンクライミングは自我に直面してそれを抑制し、自然に直面してそれに謙虚になり、世界を征服するのではなく、自己を克服するために努力することを意味しています。こうした考えは私たちをかき立て、地球を救うという大きな挑戦に直面する私たちに必要な興奮です」―4月発行予定Spring 2022ジャーナル「クリーンクライミングを復活させる」より



パタゴニア日本支社 カスタマーサービス
TEL:0800-8887-447

Photos:Naoki Seo
Stylist:Takumi Urisaka
Composition & Text:Hisami Kotakemori

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