グラフペーパーといえばノンウォッシュやリジッドのきれいなデニムのイメージがあったけど、今季はご覧のとおり色落ちの激しいものが登場。これまでになくバリエーションも豊富に展開している。南さんにどんな心境の変化が?
100年後にも残るような、プロダクト的なデニムウェアを作ってみたくなった
南 貴之さん
alpha代表/クリエイティブディレクター
グラフペーパーやフレッシュサービスをはじめとする自社ブランドの企画・生産、国内外のブランドのPRやディレクションを手がけるアルファの代表。多岐にわたる分野で活躍。
「もともとヴィンテージデニムによくある縦落ちが好きではなくて、色が移染するのも嫌だったんです。しかし、数年前に古着屋で自分の体型に合うリーバイス®のジーンズに出会って、空前のアメカジブームが到来! 自然な縦落ちも美しいなって再認識しました。そこからいろいろなヴィンテージのデニムウェアを検証して、生地やディテールに何が使われているか、どういう構造になっているかを理解できたので、自分で納得できないところだけ直して新しく作り変えてしまおうと思い立ったわけです。今回、リーバイスのヴィンテージデニムにも使われているコーンミルズ社のデニムを使えたことも大きかった。美しく縦落ちするし、13・75オンスの厚みがあるのに重さを感じさせないのも魅力です。糸の番手や色を吟味し、加工したらどうなるかテストを繰り返し、ようやく納得できるデニムが完成しました。今後もアップデートしていくと思いますが、デニムウェアの“OS”として100年後にも残る自信作です」
この気どりのないリラックス感、まさに週末を楽しむのにうってつけ!
A.金属製のタックボタンもイチから製作。フラットな形状に、グラフペーパーのオリジナルロゴが中央に刻印されている。
B.色落ちしない従来の「カラーファストデニム」シリーズと区別するため、さりげなく赤色のステッチが入れられている。
C.裏側を見てみるとセルビッジデニムが使われているのがわかる。旧式の力織機でゆっくりと織り上げられた証し。
色落ちのバリエーションは濃淡にメリハリのあるダークフェードと、長年はき込んだかのように色褪せたライトフェードの2種類。自分でイチから育てたい人のためにリジッドも用意。
[上段]デニムジャケットは往年の名品をモチーフとした2種類がスタンバイ。絞りのないボックスシルエットでカバーオール感覚で着られる。脇には手がすっぽり収まるサイドポケットも。
ジャケット(右)¥44,000・(中)¥41,800・(左)¥35,200/グラフペーパー
[中段]ブランドでは初となるオーセンティックな5ポケットのジーンズがお目見え。ゆったりした腰まわりから裾にかけて細くなるテーパード型(右・左)と太めのストレートタイプ(中)を展開。ライトフェードは南さんの私物のジーンズの色落ちを忠実に再現している。
ジーンズ(右)¥33,000・(中)¥30,800・(左)¥24,200/グラフペーパー
[下段]ウエストに2つのタックが入ったスラックス風のモデル。こちらもテーパード(中・左)とワイドストレート(右)の2種類で展開。バックポケットはフラップ付き。
ジーンズ(右)¥33,000・(中)¥30,800・(左)¥24,200/グラフペーパー
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Composition&Text:Masato Nachi