ニューヨーク近代美術館(MoMA)とコラボした「UT」が2月7日に発売。近代美術界の巨匠たちの作品を柄に採用したTシャツ5柄とスウェット3柄のラインナップだ。起用されたアーティスト6名を全員答えられたら、“文化系男子”認定!
モネ、ダリ、ゴッホ…じゃないほうは?
ファッションの力でアートを身近に楽しめる機会を提案する「UNIQLO(ユニクロ)」では、Tシャツライン「UT」のプリントスペースを著名アーティストの作品を掲出するキャンバスとして積極活用している。
2022年はその試みをさらに強化。パリの「ルーヴル美術館」コラボの第3弾が1月31日に発売され、その熱が冷めきらないうちに、NYの「MoMA(The Museum of Modern Art/ニューヨーク近代美術館)」とのコラボ「UT」が2月7日に店頭に並んだ。
本コラボ「MoMA Art Icons UT(MoMA アート・アイコンズ UT)」では「MoMA」に収蔵されている巨匠たちの作品を柄に採用。起用アーティストは6名で、Tシャツ5柄とスウェット3柄のラインナップだ。
クロード・モネ作「睡蓮」(1914~1926)、サルバドール・ダリ作「記憶の固執」(1931)、フィンセント・ファン・ゴッホ作「星月夜」(1889)ら有名どころは、もはや一般常識レベルだろう。
では、その3人のアーティスト“じゃないほう”、文化系男子ならば知っておきたい「UT」とは?
1960年からMoMA下級職員として勤務していた経歴があるソル・ルウィット(Sol LeWitt/1928~2007年)は、NYのスクール・オブ・ヴィジュアル・アーツ出身。前衛芸術運動である「Conceptual art」という用語を公で初めて使用した旗手であった。
20世紀初頭に台頭したキュビズムのほか、幾何学模様で組成するロシア抽象芸術の一派であるシュプレマティスムの影響を受けたロシア構成主義は、1917年のロシア革命のもと、新しい社会主義国家建設への潮流と連動。このプリント柄は、まさにロシア革命(二月、十月)が起きた1917年に発表された作品だ。
スウェットにプリントされた抽象画も、革命後の1921年にポポーワが手掛けた作品。
スターリンの指揮下でソ連政府が保守化した1920年代後半には、社会主義リアリズムが重視され、芸術分野においてもロシア構成主義は衰退し国外へと芸術家は遁走していく。歴史的背景とともに考察すべきロシア構成主義の、過渡期の咆哮と言える。
2015年1月1日にパブリックドメインの意匠として遷移したモンドリアン柄・モンドリアンルックでお馴染みだろう。そのオリジナルとなる「赤・青・黄のコンポジションⅡ」(1929)が、左胸に施されている。
ちなみに、「ユニクロ」と「MoMA」とのパートナーシップは丸10年のロングラン。一方、「ルーヴル美術館」とのタッグは2021年2月から。
2011年9月に、日本ではなく「MoMA」のショップ内で期間限定販売されたTシャツから小規模にスタートしたローカル企画は、2011年10月にオープンした「ニューヨーク5番街店」にて新作を畳みかけて発表。世界に向けて「アートに強いユニクロ」をアピールした嚆矢が、この「MoMA」コラボだったのだ。
ユニクロの旬のニュースをもっと知りたい!