2021.11.14
最終更新日:2024.03.07

【ソファ中心のリビング、やめてみた】大人が選ぶべき名作「ラウンジチェア」6選

リビングの中心はソファだ。いや本当にそうか? ソファありきのレイアウトって窮屈じゃないか? もっと自由に考えてみよう。

【ソファ中心のリビング、やめてみた】大人の画像_1

パーソナルスペースをつくっても 家族とは空間を共有できる

息子が成長するにつれて、テレビとソファが向き合う昭和のレイアウトにメリットを生み出すことができず、自宅のリビング改革が始まりました。もはや情報を得るメディアの一つでしかないテレビを中心に部屋をつくるのは違う気がする。限られたスペースがさらに画一的になるし、この年になってやっと所有が現実的になった、そこそこの憧れチェアも買い足せない。そこで今まで使っていたソファを処分してラウンジチェアを導入すると、自由度が一気に広がりました。当たり前のことだけど、簡単に移動できて、自分の空間をつくることもできるし、家族とも向き合える。映画をじっくり見たければ、テレビの前に置けばいい。子どものトランポリンにもベッドにもなってしまう固定家具のソファと違い、ラウンジチェアはユーティリティが高く有意義です。

今使っているのは、ウェグナーのGE375とマルセル・ブロイヤーが1937年にデザインした、アイソコンプラスのショートチェア、ファブリックをヌメ革にカスタムしたブルーノ・マットソンのハイバックチェア。家族3人分ありますが、それぞれ背もたれの角度やフィットが違うので、使用目的やムードによって、座るチェアを替えています。隣に置くちょうどいいテーブルや、照明にも興味が広がり、部屋が広がったような気もします。

以前、フィン ユールの関係者に聞いた話ですが、北欧家庭ではチェアを向かい合わせてだんらんを過ごし、窓の外が見えるように配置して、自然の景色を楽しみながらリラックスするのだそう。アイデアと工夫があれば、ラウンジチェアは人間らしい家具です。

文/小澤匡行


Hans J.Wegner CH445 | ウィングチェア

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両翼を広げたような背もたれの独特のフォルム。別名“ウィングチェア”の名をもつラウンジチェアは、1960年にデンマーク人家具デザイナーのハンス J.ウェグナーが製作したもの。ハイバックで、ゆったりともたれかかることができ、寛ぎのひとときに最適。脚部は繊細なステンレススチール素材。 チェア¥609,400〜/カール・ハンセン&サン(カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア東京) テーブル 直径725㎜×高さ410㎜ ¥107,800/ハーマンミラー(カテドラ) ニットパーカ¥88,000・ニットパンツ¥77,000/サンスペル(サンスペル 表参道店) タートルネックニット¥18,700/ユナイテッドアローズ(ユナイテッドアローズ 原宿本店) ソックス¥20,000/ジ エルダー ステイツマン(サザビーリーグ)
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W900㎜×D900㎜×H1030(SH390)㎜

Charlotte Perriand ファイアー サイド ローチェア

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日本のプロダクトデザインに多大な影響を与えたフランス人の建築家&デザイナーのシャルロット・ぺリアン。彼女がディレクションしたことで知られる、フランスのレザルクスキーリゾートのホテルで使用されていた1960年代製のラウンジチェア。はめ込み式になった、大きさの異なる円筒形のオーク材とやわらかなブルーグレーのファブリックの組み合わせが愛嬌たっぷり。 チェア¥550,000/ニック ホワイト テーブル 幅700㎜×奥行き700㎜×高さ270㎜/300㎜ (2つセット)¥401,500/IDEAL TOKYO ニット¥99,000/へリル(にしのや) シャツ¥24,200/ジェームス パース(ジェームス パース 青山店) パンツ¥30,800/ワーダー ソックス¥5,500/オーラリー シューズ¥51,700/フェランテ ペル トゥモローランド(トゥモローランド)
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W682㎜×D766㎜×H690(SH285)㎜

Pierre Paulin CM194

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1960〜’90年代のフランスを代表するデザイナー、ピエール・ポラン。“CM194”は彼の家具を初めて製作したフランスのトネ社で誕生。背もたれから座面までがやわらかく湾曲し、有機的なフォルムを描く。これは汚れが付着しづらいスエードライクな生地に張り替えられた一脚で、座面下のジップにより容易に着脱可。サイドテーブルとして使用したのは木工作家の梅本敏明氏による作品。 チェア¥462,000/ヤエカ ホーム ストア オブジェクト 幅610㎜×奥行き413㎜×高さ360㎜ ¥110,000/スタジオキイ(リヒト) シャツ¥30,800/カモシタ (ユナイテッドアローズ 原宿本店) ニット¥34,100/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー) パンツ¥36,300/エイトン(エイトン青山) ソックス¥4,400/MHL.
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W580㎜×D830㎜×H760(SH445)㎜

Pierre Guariche Trelax

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ピエール・ガーリッシュは、名作“チューリップチェア”をはじめ、現代でも数多くの作品で知られるフランス人デザイナー。この“Trelax”は、1950年代に製作されたヴィンテージ。古い織機を用いて当時の製法で作られた帆布生地を使用しており、よこ糸に麻糸を採用、オックスフォードパターンで仕上げた繊細な表情が魅力。数段階にリクライニングが可能だ。 チェア¥352,000/デモデミックス ヴィンテージのテーブル 幅710㎜×奥行き710㎜×高さ510㎜ ¥308,000/オード・ミネ(ストゥープ) パーカ¥36,300・パンツ¥35,200/アンユーズド(alpha PR) シャツ¥27,500/オーラリー ソックス¥2,750/トゥモローランド サンダル¥8,250/ビルケンシュトック(クオリネスト)
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W740㎜×D850㎜×H1020(SH450)㎜

Poul Kjaerholm PK22™ スペシャルエディション & Charles & Ray Eames イームズ プライウッド ラウンジチェア

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(右)置く位置が限られ、しかも場所を取るソファと異なり、テーブルまわりの好きな位置に異なる椅子を配置できるのもラウンジチェアの魅力。ポール・ケアホルムによる名作PK22™を、フリッツ・ハンセンでは、オリジナルチームが開発した先染め糸によるリネンの張り地でモディファイ。表面にはサンディング加工が施され、ベルベットのようなタッチを楽しめる。写真のグレーのほか、チャコールグレー、ベージュを展開。チェア¥385,000/フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN TOKYO) (左)米「TIME」誌が“20世紀最高のデザイン”に選出したことでも知られる不朽の名品、イームズのプライウッドラウンジチェア。一見シンプルなデザインながら、背もたれや座面に緩やかなカーブをもたせて身体にフィットするように成型し、快適な座り心地を実現。軽やかで優雅な一脚と、ジョージ・ピーターソンの重厚なウッドテーブルの対比も面白い。チェア¥162,800/ハーマンミラー(ハーマンミラージャパン) サイドテーブル 直径372㎜×高さ474㎜ ¥330,000/プレイマウンテン シャツ¥68,200/シャルべ(ユナイテッドアローズ 原宿本店) カットソー¥13,200/サンスペル(サンスペル 表参道店) スウェット¥37,400/エイトン(エイトン青山) パンツ¥41,800/ユーゲン(イデアス) メガネ¥41,800/アヤメ シューズ¥3,960/モンベル(モンベル・カスタマー・サービス)
【ソファ中心のリビング、やめてみた】大人の画像_11
(右)W630㎜×D630㎜×H710(SH350)㎜
【ソファ中心のリビング、やめてみた】大人の画像_12
(左)W559㎜×D616㎜×H674(SH394)㎜



Photos:Kenta Sawada
Hair:Masashi Konno
Stylist:Toshihiro Oku
Model:Masayuki Kawabata Hocoli

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