リビングの中心はソファだ。いや本当にそうか? ソファありきのレイアウトって窮屈じゃないか? もっと自由に考えてみよう。
パーソナルスペースをつくっても
家族とは空間を共有できる
息子が成長するにつれて、テレビとソファが向き合う昭和のレイアウトにメリットを生み出すことができず、自宅のリビング改革が始まりました。もはや情報を得るメディアの一つでしかないテレビを中心に部屋をつくるのは違う気がする。限られたスペースがさらに画一的になるし、この年になってやっと所有が現実的になった、そこそこの憧れチェアも買い足せない。そこで今まで使っていたソファを処分してラウンジチェアを導入すると、自由度が一気に広がりました。当たり前のことだけど、簡単に移動できて、自分の空間をつくることもできるし、家族とも向き合える。映画をじっくり見たければ、テレビの前に置けばいい。子どものトランポリンにもベッドにもなってしまう固定家具のソファと違い、ラウンジチェアはユーティリティが高く有意義です。
今使っているのは、ウェグナーのGE375とマルセル・ブロイヤーが1937年にデザインした、アイソコンプラスのショートチェア、ファブリックをヌメ革にカスタムしたブルーノ・マットソンのハイバックチェア。家族3人分ありますが、それぞれ背もたれの角度やフィットが違うので、使用目的やムードによって、座るチェアを替えています。隣に置くちょうどいいテーブルや、照明にも興味が広がり、部屋が広がったような気もします。
以前、フィン ユールの関係者に聞いた話ですが、北欧家庭ではチェアを向かい合わせてだんらんを過ごし、窓の外が見えるように配置して、自然の景色を楽しみながらリラックスするのだそう。アイデアと工夫があれば、ラウンジチェアは人間らしい家具です。
文/小澤匡行
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Photos:Kenta Sawada
Hair:Masashi Konno
Stylist:Toshihiro Oku
Model:Masayuki Kawabata Hocoli