昨今、国内のパンツ専業ブランドの躍進が目覚ましい。日本人の体型を熟知しているから、ちょうどいいパンツが見つかる。特に注目を集める3ブランドの魅力に迫った!
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Tangent
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Since:2021年
Director:Osamu Shibatani
「ミリタリーパンツ専業」を掲げる今年デビューの新進気鋭。テーラーの手法で仕立てた新しいミリタリーパンツは多くのバイヤーや業界人をうならせる。
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TAN06° Pierre
Base:フランス軍「M-47」後期
Silhouette:テーパード/レギュラー
Price:¥35,200
「名作M-47のシルエットを大事にしながらアップデート。やや小ぶりにしたカーゴポケットは、少し高めに配置。膝の切り替え位置もドレスでは股下35㎝が一般的ですが、30㎝ほどに設定することで脚がきれいに見えるバランスになります」
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TAN08° WILLIAM
Base:ʼ80年代イギリス軍
Silhouette:ストレート/レギュラー
Price:¥39,600
「’80年代のファティーグパンツが元ネタ。英国軍ならではのボタン付きベルトループやサイドアジャスターを踏襲しつつ、隠しダーツを入れることで腰まわりを立体的に演出しています。プリーツも深めにとっているので、よりドレッシーに」
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TAN02° HENRY
Base:ʼ40年代イギリス軍
Silhouette:ストレート/ワイド
Price:¥30,800
「自分が所有するヴィンテージの軍パンの中で、お気に入りの’40年代英国軍のグルカパンツを参考にしました。ワイドシルエットが好きということもあり、なるべく元の太さを楽しめるようにアレンジ。特徴的なベルトループもそのままです」
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TAN09° HANS
Base:ʼ80年代ドイツ軍
Silhouette:テーパード/ワイド
Price:¥30,800
「ドイツ軍のイージー仕様のオーバーパンツをベースに製作。バックのウエスト部分にギャザーを入れているので、楽にはけるのが魅力です。ドレスっぽさを出すために持ち出しをつけたり、ヒップのカーブが美しく見えるように調整しました」
パンツ専業は数多くあるけど、 「ミリタリーパンツ専業」は、なかなかない
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「長年、海外のドレスパンツブランドのセールスをしていた経験から、いつか自分でもパンツブランドをやりたいと構想を練っていました。そんな折、海外出張に行けない状況が続き、思い切って始めることにしたんです。自分が好きなドレスを軸に珍しいコンセプトでやりたくて考えついたのが、大人のためのミリタリーパンツです。ベースにしたのは、以前から好きだったヨーロッパの軍パン。そのオーセンティックな魅力を損なうことなく、ドレス的手法で再構築しました。シルエットはストレートとテーパードの2種類、太さはワイド、レギュラー、スリムの3型あってそのベストな組み合わせで展開。いちばん意識しているのは、平面的なパターンをどうやってドレスらしく立体的に見せるか。元の軍パンはどうしても腰まわりにボリュームがないので、タックや隠しダーツをつけて美しいシルエットに仕上げています」
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「腰裏はマーベルト仕様にしてフィット感を重視。芯地が入っているためウエストまわりがバシッときまります」
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「バックにもタックを入れることで、ヒップに丸みが出てエレガントな印象になるんです」
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「イージーパンツですが、持ち出しをつけることでドレス風に」
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Text:Ryo Kikuchi