ラグジュアリーブランドの新作を、4人それぞれのベストなコーディネートをイメージして私服と一緒に着こなしてもらった。
瀧川鯉斗さん(落語家)
GUCCIのブルゾン、どう着ますか?
全身黒に一点突破で思いっきり主張させたい
「仕事では常に和服ですが、プライベートではハイブランドの洋服に憧れがあります。楽屋ではお弟子さんたちに、師匠はどこのアウターを着ているのか?と、見られていますから(笑)。GGパターンが全面に入った、ひと目でグッチとわかる豪華なデザインを邪魔しないように、ほかのアイテムを黒にしてアウターそのものがなるべく際立つようにしたいです。デニムとラムレザーの組み合わせからアメリカっぽい武骨な第一印象でしたが、着てみるとチャイナジャケットみたいな立ち襟や丸みのあるシルエットなど、かわいげもあってよかったです。よくはくスキニージーンズとのバランスもいい感じだし、こんなふうにいつもの服装にさらりとはおって出かけたい」
ブルゾン¥396,000/グッチ(グッチ ジャパン) その他/私物
KOITO TAKIGAWA
中学時代、暴走族に。17歳で引退後、落語家の道に進み2019年に真打昇進。自身初の著書『特攻する噺家』(ワニブックス)が発売中。
髙木祐多さん(放送作家)
BOTTEGA VENETAのシャツジャケット、どう着ますか?
アウトドアものとミックスしてアメカジ風に着こなしたい
「鋭角のポケットや、立ち上がりのきれいな襟、アイコンである“V”字で縫われたボタンなど、すぐには気づかない細かいデザインにラグジュアリーブランドのすごみを感じました。必要最小限の箇所にだけキュプラの裏地がついていて着るとき肩の滑りがよく、生地はメルトンなのに薄手で軽いので動きやすい。日常的に着ているシーンがイメージできたのでエディー・バウアーのシャツ地のアノラックに、USミリタリーのシャカシャカパンツ、ラッセルモカシンの靴と、大好きなアメリカのアウトドアウェアを合わせました。CPOジャケット風のデザインだけあってアメカジに無理なく馴染んでますよね。自分らしさがベースだけど一枚で洗練されるから、すごく欲しい」
ジャケット¥137,500/ボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン) その他/私物
YUTA TAKAKI
長崎から上京後、放送作家として人気アーティストのラジオ番組に携わる。私服のほとんどがアメリカものの古着。
手嶋 慎さん(シューズメイカー)
DIORのフリースブルゾン、どう着ますか?
ツヤのある素材とのコントラストを楽しみたい
「エレガンスの代名詞のようなブランドに、気軽にはおれてラクに過ごせるアウターがあるんですね。これまでフリースといえばアウトドアブランドのものばかり着てきましたが上品さは格別。少しごわっとした毛足の短いパイルフリースのレトロな生地と、細めのシルエットのモダンな佇まいのギャップに惹かれます。ダブルジップ仕様やスナップボタン付きの胸ポケットなど、実は実用的で気がきいている。着こなしはテクスチャーの差を大事にしました。MATSUFUJIの光沢のあるパジャマシャツ、マットなチノパン、自作のスエードシューズと全アイテムの素材を変えることで、ラグジュアリーブランドも悪目立ちさせることなく臆せず取り入れられる気がします」
ブルゾン¥341,000/ディオール(クリスチャン ディオール) その他/私物
SHIN TESHIMA
シューズブランドMAKERS代表。自身でデザインから制作まで務め、多数の人気ブランドのシューズも手がける。趣味はクルマと自転車。
河原太朗さん(TENDRE)
PRADAのナイロンパーカ、どう着ますか?
白からグレーの幅で潔くモードに振りたい
「ゆったり着られるサイジングながらスポーティすぎず、赤いライン(リネア ロッサ)もいいアクセント。何よりも前面がジップアップではなく面ファスナーのみという見たことのないデザイン、ひと目で気に入りました。アウターではあるもののインナーが透けるので、何を透けさせるかが重要ですよね。キャンバスのような感覚。結局はエルイーの白シャツで“何も透けさせない”のがいちばんという結論になりましたが(笑)。古着のグレースラックスに、ザ・ノース・フェイスのグレースニーカーと、白~グレーの振り幅で遊ぶくらいがいいですね。撥水生地に止水テープの仕様で雨に対する機能面も十分ですが、繊細な色合いを楽しむために晴れの日に着たいと思います」
パーカ¥396,000(予価)/プラダ(プラダ クライアントサービス) その他/私物
TARO KAWAHARA
ソロプロジェクト「TENDRE」のほかベーシスト、歌手、プロデューサーとして活動中。最新アルバム『LIFE LESS LONELY』が発売中。
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Text:Takako Nagai
Cooperation:Toshihiro Oku