2021.02.27
最終更新日:2024.03.07

アートな11のキーワードで巡る!大人のための「エルメス表参道店」の歩き方

エルメスの新しい路面店として、2月28日に「エルメス表参道店」がグランドオープン。ラグジュアリーなムードに満ち溢れる店舗は地上2階建て。気持ちの余裕をもって回遊できるよう、“アートな予備知識とキーワード”を伝授しよう。

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ちょっぴり勇気が必要な、ラグジュアリーなお店。大人男子ならば気後れせずに訪れてみたいもの。

そんな心の余裕が試される店舗の筆頭が、パリの老舗メゾン「HERMÈS(エルメス)」の新路面店として2月28日にグランドオープンを迎える「エルメス表参道店」だ。


そこで、敷居の高さにひるまず慌てず回遊できるよう、表参道店ならではの“アートな予備知識とキーワード”を事前に伝授。まずは、現代装飾家の京森康平氏が手掛けたウィンドウディスプレーからチェック!



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キーワード①:竹林イメージの外観



さあ、どんな大人男子もドキドキしてしまう「エルメス表参道」に到着。入り口付近の建築設計に注目だ。


店舗設計は、本国パリの建築設計事務所であるRDAI社(レナ・デュマ・アルシテクチュール・アンテリユール社)が手掛けている。かつて土留めとして築かれた石垣を崩さずにコッパーカラーのステンレス製の“竹林”で囲い込んだ芸術的ファサードは、まさに和洋折衷の極み。


夜になると、背面の間接照明によってアーキテクトな竹林が表参道に浮かび上がる。



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魅惑の「エルメス表参道店」の中へ。

地上2階・売場面積488平方メートルの空間に、ウェア、レザーグッズ、アクセサリー、フレグランス、ホームコレクションなどがラインナップ。都内への路面店出店は、2001年開業の「エルメス銀座店」以来、約20年ぶり。


ここで、記念すべきグランドオープン時のウィンドウディスプレーを担った京森康平氏の名前を思い出そう。



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キーワード②:現代装飾家/京森康平



京森康平氏の本懐は、新作スカーフ「デュオ・コスミック」にある。店舗正面右手のウィメンズシルクのコーナーでしばし足を止め、「エルメス」が誇るシルクスカーフ“CARRÉ(カレ)”が織り成す小宇宙を堪能したい。


右の柄は馬具が着想源。馬具工房として始まった「エルメス」にとって、「一番のお客様は馬」とされている。



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キーワード③:迷ったら馬具に戻る



その本物の馬具がこちら。


鞍下用ゼッケン「スウィング」(¥70,400)と、馬場鞍「エルメス・アルページュ」(¥1,037,300)のクリエイティブは、もはや芸術品の域。高級馬具商として1837年にパリ9区で創業したメゾンの原点でもあるのだ。



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キーワード④:床は畳をイメージ



フロアを引きで見ると「エルメス表参道店」は馬具を中心に据えた商品配置であることがわかる。そして床は、モザイクと畳状の2種類が連なっているのだ。


エントランス付近のモザイクタイルは、パリの「フォーブル・サントノーレ店」と同様に、メゾンの象徴であるエクスリブリス(蔵書印)モチーフを配置したもの。続く床面には、日本の畳をイメージした石が配されている。


そしてまた、階段横のサーフボードに描かれた馬と目が合ってしまう。魅入られたように近づいてみよう。



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キーワード⑤:現代アーティスト/ヤン・バイトリク



サーフボードの馬は、カレの新柄「Cheval de fête(シュバル・ドゥ・フェット=祭りの馬)」。この絵柄はポーランドの現代アーティストであるヤン・バイトリク(Jan Bajtlik)氏が描いたもの。


そして、裏手にある階段から2階へ。



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キーワード⑥:竹工芸作家/本田聖流



吹き抜けから階下の眺め。随所に椅子が置かれ、まるで美術館のような佇まいでもある。


展示されているアートワークは、竹工芸作家の本田聖流によるもの。表参道店のために特別に創られた、無限のメビウスや雲の形に着想を得た竹の彫刻だ。下から上から真横から、角度を変えて眺めてみたい。



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キーワード⑦:デザイナー/ヴェロニク・ニシャニアン



2階は大人男子に響く珠玉のアパレルが中心。


「エルメス」2021年春夏メンズコレクションは、短編演劇で綴るような軽やかさに満ちたコレクションだ。


ナチュラルな色合いがストライプや目の覚めるような蛍光色と組み合わさり、舞台の中心でスポットライトを浴びる。そんなシーンを、「エルメス」のメンズ部門のアーティスティック・ディレクターであるヴェロニク・ニシャニアン(Véronique Nichanian)はイメージしたという。



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キーワード⑧:ハロー・ミスター・ファリエール



オススメのTシャツ(¥61,600)は、こちらの「ハロー・ミスター・ファリエール」柄。「エルメス」のルーツを物語る蹄鉄(ていてつ)工をイメージしたロボットだ。


彼は馬の(ひづめ)を保護するために蹄鉄を打つ技術者、装蹄師(そうていし)。手の部分はそのまま蹄のカタチだ。競走馬用語を知ると、“エルメス謹製”ロボットである理由をさらに深く知ることになる。


そして表参道店にはもう1体、ロボットが存在する。



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キーワード⑨:デザイナー/野村大輔



そのロボットは1階にあった。


パーツのようなメカが載せられたカシミヤシルクスカーフ(¥197,000)は、デザイナーの野村大輔氏が手掛けた表参道店の限定品。まるでアニメーションのセル画のように、カラーがパーツ毎に徐々に載せられていく様に20版、各1枚ずつの計20枚限定となる。



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では、このメカ柄の全体像は?

それは回遊していると突如として現れる。1階メインフロアの奥まったスペースでオブジェや書籍を眺めていると、レジカウンターの脇から出現するのだ。



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キーワード⑨:「メガ・シャリオ」



超合金世代の心を掴んで離さない「メガ・シャリオ」。


野村大輔のインスピレーション源は、「エミール・エルメスコレクション」の子供用三輪馬車とギリシャ神話。アポロンの戦車を無断で借用したとされる神・エルメスのストーリーを表現し、今まさに、ロボットに姿を変えた三輪馬車がギリシャ神話の神々の住み家であるオリンポス山に向かって走り出そうとしている図だという。



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キーワード⑩:木製自転車



子供用三輪馬車つながりで最後に紹介するアイテムは大人用自転車だ。オープンを記念し、スペシャルオーダー部門の「Horizon(オリゾン)」から、木製の自転車がアイコニックなシンボルとしてお披露目された。


来季発売予定のこの木製自転車は、数日間の期間限定で展示される。


以上で、アートな予備知識とキーワードで巡る「エルメス表参道の歩き方」は完全クリア。2月28日のグランドオープンを踏まえ、傾向と対策はバッチリだ。



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キーワード⑪:竹宮惠子×ヨシロットン



番外編は店舗外。表参道駅の柱巻き広告もチェック!


竹宮惠子×ヨシロットンのユーモアに溢れるアートに刺激を受けつつ、「エルメス表参道店」に駆けつけよう。


見てごらん、この街にもついにエルメスがやってくるようだ・・・。2月28日が待ち遠しい!きっと特別な場所になるだろうよ・・・!




HERMÈS:エルメス表参道店
グランドオープン:2021年2月28日(日) / 住所:渋谷区神宮前5-7-20 / 電話:03-6712-6612 / 営業時間:11:00~19:00 / 定休日:水曜日
https://www.hermes.com/jp/ja/
※価格は全て税込です。

Text: Takafumi Hojoh

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