コロナ禍をきっかけにスタートした新しい日常で、ライフスタイルが変わったという人は多い。洋服やモノへの考え方はどうか? 個人的定番は不変? それとも新定番が生まれたか。この連載ではWITHコロナ時代のスタンダードアイテムを100人に聞く。フィギュアインクの早川雄介さんは自分のスタイルを見つめた結果、「普通なようで普通ではない」と感じるモノに愛着を感じるようになった。
【MY STANDARD 100 #71】 早川雄介さん(フィギュアインク ディレクター/39歳) マーティー アンド サンズのシャツ
レギュラーカラーシャツ¥27,000/マーティー アンド サンズ(フィギュアインク ショールーム)※2月中旬発売予定。
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生地感や色で意外な変化が楽しめる 「普通なようで普通ではない」シャツ
「わざわざ」という言葉が頭の中に常駐するようになりました。「モノ・コト・ヒト」という3ワードを近年よく目や耳にしていましたが、何が無駄で何が大切かを考えるようになったということだと感じます。「わざわざ〇〇する必要があるのか?」と置き換えることができるかと思いますが、とどのつまりドライに考えることが増えたかもしれません。
昔から続くモノなどは見直したり興味を持ったりするようになりました。逆に中途半端なモノや特色のないモノにはほとんど見向きもしなくなった気がします。特に服に対しては、ただつくりがよいだけ、ただ新しいだけというモノに食指が動くことはなくなり、その結果、「普通なんだけれども、普通ではない」と感じるモノや、特別な何かを感じさせる服、また経年変化しても愛着が持てるようなモノだけを求めるように。
2019年秋冬にスタートしたマーティー アンド サンズのレギュラーカラーシャツは「普通なようで普通ではない」一着。毎シーズンさまざまな生地で展開されています。僕が着ているのはデビューシーズンのもの。緯糸にネップ糸を入れたタイプライタークロスで、洗い込むことでネップが吹き出し、表情が変化していきます。
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マーティー アンド サンズのジャケットとカーハートの古着パンツにジョンロブのタッセルローファーでコーディネートしました。着こなしは破れたり、色褪せた古着に高級革靴を合わせたりして「カジュアルでもどこかエレガント」な雰囲気を大事にしています。
ドレスシャツがベースになっていますが、シルエットや芯の使い方で、カジュアルに寄せている絶妙なニュアンスが気に入ってます。かっちりタックインだけでなく、ラフにだらしなく着てもサマになり、着方次第で変化がつけられるのもこのシャツの魅力。
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よーく見ると節(ネップ)が入っている生地の質感がまたいいんですよね。僕が着ているのは染色していない「生成り以上、ベージュ未満」の色ですが、物撮影したシャツは2021年春夏バージョン。同じくネップ入りですが、原着色の綿糸を使用しているから、洗濯を繰り返すと徐々に白っぽくなって、着込んだ白シャツが黄ばむのとは逆の経年変化が楽しめます。
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品よく見える「MY STANDARD」なシャツ
フィギュアインク ショールーム info@figureinc.jp
Photos:Naoki Seo(still)
Stylist:Takumi Urisaka
Composition & Text:Hisami Kotakemori
Stylist:Takumi Urisaka
Composition & Text:Hisami Kotakemori