
1995年の夏、坂本龍一はニューヨークにいた。
NY・マンハッタンの街をそぞろ歩く故・坂本龍一の1日に、写真家・田島一成(たじまかずなり)が密着。30年前、当時43歳だった坂本龍一を編集した写真集『A DAY WITH RYUICHI SAKAMOTO』が3月13日(木)に発売される。ハードカバー全96ページのうち、ルポ写真はカラー20ページ・モノクロ30ページ。販売サイトは「AKIO NAGASAWA Publishing」「M-ink. オンラインストア」「坂本図書オンライン」ほか。文化系男子はマストバイの写真集だ。

いきさつも粋なもの。1995年当時27歳だった田島は、音楽家のテイ・トウワを通じて坂本と知り合い写真集の撮影を依頼された。約半年間に渡って坂本に密着してレコーディング風景やポートレートなどをフィルムに収めていたが、坂本の日常はほぼすべてが創作活動に充てられており、撮影が進む中で田島は屋外での写真がないことに気付く。そこで、真夏に丸1日をかけてマンハッタンを巡るルポ形式の撮影を提案し、坂本も快く承諾したのだ。
写真展も開催


なお、写真集が発売される3月13日(木)から4月12日(土)まで、坂本龍一×田島一成をフィーチャーした写真展「A DAY WITH RYUICHI SAKAMOTO 〜坂本龍一との1日~」が東京・銀座の「AKIO NAGASAWA GALLERY GINZA」で開催。ギャラリーでは写真集収録作品が展示されるほか、限定オリジナルプリントが展示・販売。入場無料。

以下、あとがきから一部抜粋。
『坂本さんが亡くなってしばらくの間、ショック状態だった。最後の日々を綴った書籍も買ったまま未だに読めていない。坂本さんの良い写真があったら送って欲しいという事務所からの連絡をきっかけに過去のポジやネガフィルムを見返す中で、ニューヨークでの1日のロケ写真を改めて見返し、あの日の坂本さんの言葉や、ふざけてポーズを取る姿が次々と記憶によみがえった。グレーのTシャツの胸元に汗を滲ませながら暑い夏の日に撮影に付き合ってくれた坂本さんに、改めて感謝の念が湧き上がる。坂本龍一を知る人にも知らない人にも、この写真集を楽しんで欲しい。チャーミングな一人のアーティストの1日を。できれば彼の音楽を聴きながら。』(田島一成)
43歳の坂本龍一

あとがきでの指摘通り、写真集を開くとバックミュージックが勝手に脳内リフレインされてしまう。1995年の夏というと、田島一成もレコーディングに密着していたであろうソロアルバム『Smoochy(スムーチー)』が発売される前あたり。当時に想いを馳せつつ、教授自身がメランコリックな美声でボーカル参加している収録曲が相性がよさげだ。ページの先で視線が合うとドキッとする。
写真集:『A DAY WITH RYUICHI SAKAMOTO』
写真:田島一成(Kazunali Tajima)
判型:235 x 235mm / ページ数:96ページ / 製本:クロス装丁ハードカバー、箔押し / デザイン:material (mgmd a org.) / 出版社:mild inc. / 発行:2025年3月
販売サイト:AKIO NAGASAWA Publishing、M-ink. オンラインストア、坂本図書オンラインほか
写真展:「A DAY WITH RYUICHI SAKAMOTO 〜坂本龍一との1日~」
写真:田島一成(Kazunali Tajima)
会期:2025年3月13日(木)~4月12日(土)
会場:Akio Nagasawa Gallery Ginza
(中央区銀座4-9-5 銀昭ビル6F)
入場料:無料