数ある漫画の中から実写にしてほしい作品を紹介する連載。第三回目に取り上げるのは、グルメマンガ要素も楽しい本格建築設計マンガ『一級建築士矩子の設計思考』だ。
酒好きの駆け出し女性建築士が 案内するリアルな建築設計の世界!
特に引っ越し予定がなくても物件情報を見るのが好き、という人は結構いるのではないか。間取り図を見て妄想したり、デザイナーズ物件の写真にときめいたり。40代ともなれば、雑誌などで他人のオシャレな家を見て「こんな家を建てたい!」と思うこともあるだろう。
そんな人におすすめなのが本作。ありそうであんまりない〈本格建築設計マンガ〉である。主人公は、20歳で青森から上京し、設計事務所に7年勤めて独立した一級建築士・古川矩子。気軽に立ち寄ってもらえるようにと事務所に立ち呑みを併設した。開業したばかりでヒマな彼女だが、建築士としての能力と志は高い。
『一級建築士矩子の設計思考』
鬼ノ仁
1巻発売中/日本文芸社
「週刊漫画ゴラク」連載中
一級建築士の資格をもつ作者が描く本格建築設計マンガ。名探偵ばりの洞察力を発揮する主人公・矩子の活躍はもちろん、実在の酒やお店が登場するグルメマンガ要素も楽しい。
南 信長
マンガ解説者。朝日新聞ほか各雑誌で執筆。著作に『現代マンガの冒険者たち』『マンガの食卓』『1979年の奇跡』など。2015年より手塚治虫文化賞選考委員も務める。
Ⓒ鬼ノ仁/日本文芸社