数ある漫画の中から実写にしてほしい作品を紹介する連載。第二回目に取り上げるのは、先の読めないゾンビパニック恋愛ミステリー『生き残った6人によると』だ。
ショッピングモールで展開される ゾンビバトル&恋愛&ミステリー!
バレンタインもクリスマスも昔に比べれば恋愛要素は減っている気がするが、エンタメの世界では恋愛は今も人気のテーマである。パニックものも例外でなく、極限状況で生き残った者同士に恋が芽生えることは珍しくない。映画『ゾンビ』のリメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』(ザック・スナイダー監督)でも、主人公の看護師と一緒にショッピングモールに逃げ込んだ準主役級の男が恋仲となった。
しかも、登場人物が一筋縄ではいかないヤツばかり。梨々は頭脳も身体能力もバツグンだが出自に秘密がある。登山家は超ナルシスト、フリーターは裏社会の住人っぽく、菜食主義の女も怪しくて…。メンバーの過去や素性、関係性が少しずつ明らかになっていく展開は、一種のミステリーとしても見ごたえがある。
『生き残った6人によると』
山本和音
1~2巻発売中/KADOKAWA
(ハルタ連載中)
ゾンビものとシェアハウスものが、まさかの超合体! キレのあるアクションと粋なセリフに謎めいた人物たちの思惑が絡み合う、先の読めないゾンビパニック恋愛ミステリーだ。
南 信長
マンガ解説者。朝日新聞ほか各雑誌で執筆。著作に『現代マンガの冒険者たち』『マンガの食卓』『1979年の奇跡』など。2015年より手塚治虫文化賞選考委員も務める。