2024.11.25
最終更新日:2024.11.25

【キングオブコント2024王者・ラブレターズ インタビュー】 「コントは僕たちの生き様。つらい過去もネタにすればいい」

日本一のコント師を決める「キングオブコント」。2024年大会ではラブレターズが悲願の優勝。芸歴15年目で初タイトルに輝いた溜口佑太朗と塚本直毅にネタの秘話と今後の野望を聞いた。

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2009年に日大藝術学部の同級生だった溜口佑太朗(右/1985年埼玉県生まれ)と塚本直毅(左/1984年静岡県生まれ)がコンビ結成。’11年、結成3年目でキングオブコント決勝出場。5度目の決勝進出となる’24年大会で、ついに栄冠に輝く。溜口はモルック日本代表としても活躍。塚本は趣味のミシンで日々作品を発信する。小道具のどんぐりはネット通販で購入している。

コントは僕たちの生き様、つらい過去もネタにすればいい

ラブレターズ 2

「すごく忙しくなったけど、こうなりたくて頑張ってきたんだから、幸せをかみしめながら、毎日寝不足と戦ってます(笑)」

そう語るのは2024年のキングオブコント王者ラブレターズの溜口と塚本。彼らと大会の歴史は長い。「史上最年少」で初出場したのが13年前。結成3年目の彼らは完全にノーマークで、極度の緊張もしなかった。

溜口:「結果は7位だったけど、若かったし、もっといけるぞって思いましたね」

その言葉どおり、その後も2度の決勝出場を果たす。だが、’23年までは最高で準決勝止まり。

塚本:「ライブのお客さんも減り、同時にお笑い第7世代が台頭してきて、僕たちの時代は終わりだと言われた気分でした」

溜口:「でも賞レースにとらわれたくなかった。みんな大会で目立とうとしてトリッキーなことを始めるんです。それが嫌だった」

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’24年の決勝1本目で披露した「光」と名づけられたネタは、引きこもりの息子をテーマにしたオーソドックスなコントだった。

溜口:「6年前の準々決勝で落とされたネタなんですが、僕たちが年をとるたびにどんどんウケるようになっていったんです」

2本目は様子のおかしな女性に翻弄される外国人男性が主人公。このネタには二人が尊敬するシティボーイズの影響を感じる。

塚本:「『灰色の男』という作品で斉木しげるさんが演じた、ニコニコしてるけどゴミをすごい勢いで投げ捨てたり、端々に狂気を感じさせる役が大好きだったんです」

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二人の人生を変えた「コント」とは何か。

塚本:「生き様ですね。昔は学生コントばかり書いてたけど、子どもができた今は保育園に子どもを預ける親のネタを作るかも」

溜口:「恥ずかしい過去や、心の中にある汚いものを吐きだせる下剤ですね」

塚本:「学生時代はいじめや嫌なことをたくさん経験しました。でもそんな過去だってネタにしてしまえばいいかなって。コントはつらい記憶も笑いに変える力があるんです」

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