主演 高橋一生×監督 齊藤 工、映画『blank13』に寄せて。
「一生さんには圧倒的に「映画的なもの」を感じていました」齊藤 工
「総合芸術としての映画を作ろうという工さんの熱量を感じていました」高橋一生
監督・齊藤工の最新作『blank13』は、失踪した父と残された家族の葛藤を描いた物語だ。借金を残して蒸発した父と13年ぶりに再会する次男コウジ。ブランクを埋める間もなく父は病でこの世を去るが、その葬儀で息子たちは弔問客たちから父の意外な一面を聞かされる。ちょっと滑稽で、ほろ苦い後味。コウジを演じたのは高橋一生。齊藤は監督のほか、長男役のヨシユキとしても出演している。
──意外にもお二人はこの映画が初対面だったそうですね。
齊藤 共通する友人が何人もいるのに不思議なくらい対面する機会がなくて、 永遠にすれ違う運命なのかもと思っていました。ただ、僕は以前から一生さんの表現が本当に好きで、一生さんには圧倒的に「映画的なもの」を感じていました。たとえテレビであっても表現が平面的にならず、奥に広がっている。とても稀有な方だと視聴者としても同業者としても感じていました。
高橋 ありがとうございます。僕はお芝居って、うまいも下手もないと思うんです。そこにあるのは、役を通して透けて見えたり、にじんだりする人間性だと思っていて。俳優の「俳」は「人に非ず」と書きますけれど、結局は「人であること」に戻ってくると思っています。そういう意味で、画面を通して見た工さんは、立ち姿とか居住まいに、ある誠実さや実直さ、熱情というものが見えてくる人でした。
すべての演者がほぼアドリブだった葬儀場面の裏話や、高橋さんが映画のオファーを断った理由、そして現在の2人の「距離感」についてなど、全4ページにわたる豪華対談は発売中のUOMO3月号にて。
『blank13』
借金を残して蒸発し、13年ぶりに再会した父は余命3カ月。二人の息子は、その葬儀にやってきた弔問客たちによって父とのブランクを取り戻していく。放送作家のはしもとこうじ氏の実体験をもとに製作。すでに出品された海外の映画祭では高評価を得ている話題作。
監督:齊藤工
脚本:西条みつとし
出演:高橋一生、松岡茉優、斎藤工他
2月3日よりシネマート新宿にて公開、2月24日より全国順次公開
www.blank13.com
ゼニア カスタマーサービスTEL: 03-5114-5300
Photos:Kenta Sawada
Hair&Make-up:Mai Tanaka[MARVEE](Mr.Takahashi) Shuji Akatsuka[Make-up ROOM](Mr.Saitoh)
Stylist:Syohei Fujinaga(Mr.Takahashi) Fumiko Inomoto[Creative GUILD](Mr.Saitoh)
Text:Hiromi Sato