斬新なキャラクター造形に、ダイナミックなアクションシーン、意表を突きまくりのストーリー展開。いま最も注目すべきマンガ『チェンソーマン』。第2部スタート、そして待望のアニメ化など、怒濤の快進撃を続ける衝撃作の魅力とは何なのか? アニメ・原作関係者、ファンなど9人が熱すぎる思いを激白する。
ファイルーズあい(TVアニメ『チェンソーマン』パワー声優) 自分勝手で空気が読めない。でも、愛おしい
私が演じるパワーは、虚言癖で差別主義者でナルシストで自己中心的、とメチャクチャな魔人。思いついたことをすぐ口に出しちゃうし、トイレもたまにしか流さない。振り切ったキャラクターだけに感情を出しやすい一方で、やりすぎると嫌われてしまう可能性もある。ただ、最悪の行動しかとらないのに不思議とニクめない魅力がある子なので、そこを大事にして、かわいさが残るように意識してます。デンジとは…兄妹みたいな関係なんでしょうか。監督からは妹感を出したいというディレクションをいただきました。
『チェンソーマン』は生っぽいお芝居にこだわってつくっているので、現実にパワーがいたらこんな感じかなって、過剰にアニメっぽくなりすぎないよう注意しています。普通だったら「おうおう ひれ伏せ人間」の台詞も「うぉううぉう」くらいこぶしをきかせるんですけど(笑)。
難しいのはアドリブ。普通のアニメなら、キャラクターが画面に映らないときは声を入れなくていいことが多いですけど、例えば食事のシーンで別のキャラが会話している瞬間も、食事の芝居をやり続けないといけない。パワーは「おいしい」の気持ちをどう表現するのかなとか…登場人物がみんな言動も行動も予測不能で、頭を抱えることも多く大変でしたが、話し合いをしながら演じました。
ぜひ見てほしいのは永遠の悪魔戦。絶望的な状況でデンジとパワーだけがのんびりしていて「ワシは総理大臣になる」とか突飛なことを言う。よくも悪くも空気を読めないパワーちゃんが愛しいです。
今回の増刊号パワー表紙に声をあてるなら?の無茶ぶりには「全部ワシのじゃ!! 取るな盗人!」と答えてくれた。
イラスト/長添雅嗣
© 藤本タツキ/集英社・MAPPA
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