インフルエンサーならぬ珍フルエンサーの「栗美」が、珠玉の“珍”トピックを「Chinstagram」にアップする連載。今回は、ついに栗美がLINEスタンプに登場!!
LINEスタンプ by栗美
読者の皆さん、おはよんにちんわ~。珍フルエンサーの栗美です。ところで今、私が発した「おはよんにちんわ~」っていう台詞なんだけど、これは朝昼晩、いつでも使える挨拶として、大正時代にモダンガールの間で流行したものなの。まあそれは噓なんだけど、私は文章では常にこの挨拶を使ってて、それには理由がある。
私は昭和生まれで、当時はまだ「シゴキ」とか「上下関係」とかが、厳しく残存してたのよね。だから礼儀や体面が重視されてて、先輩に挨拶しなかったりすると、後でシメられたり。そんな文化で育ったから、挨拶みたいな儀礼的なものに対して、忌避感を抱きがちだったの。上っ面の愛想を繕われて体面を保つなんて、それこそダサいんじゃないかみたいな。
そのせいか大学時代にネットが普及しても、メールで定番の「お世話になっております」とかも、何か使いたくなかったのよね。堅苦しいし、高温多湿の夏なのにスーツ着てるみたいな、日本の非合理な文化を感じたというか(真夏にきっちりスーツを着こなしてる人はそれはそれで格好いいんだけど)。そんな頃、海外の人と遣り取りする機会があって、最初は「Dear」とかだった気もするけど、二回目からは「Hi」って感じで、その気楽さがしっくりきた。だから真似して日本人相手に「こんにちわ」を使ってみたり。でもメールって相手がいつ読むか分からないから、夜なのに「こんにちわ」じゃ違和感がある。夕食に招かれた席でそうめんが出てくるみたいな。そこで発明したのが「おはよう+こんにちわ+こんばんわ」の汎用挨拶「おはよんにちんわ~」だったっていうわけ。
ただ残念ながら、地球上で私以外に使ってる人を見ないのよね。そこで今回、この挨拶を広めるべく、LINEスタンプを自作してみたの。今は「LINEスタンプメーカー」っていうアプリがあって、描いたイラストをそれ経由で簡単に審査してもらえる。実は既にLINEストアで発売中なので、以下に収録スタンプを紹介するわね~。
まずは右の掲載画像の一番上、これが「おはよんにちんわ~」スタンプ。安心の二十四時間対応挨拶で、スタンプで慣れてきたら、思いきってメールでもこの文言を使ってみて!
その下が「うんうん、そうよね~」スタンプ。やっぱり共感の相槌って超重要。ちなみに画像にはないけど、もう少し軽薄な相槌用として「いいんじゃナイス?」スタンプもあり。
三つ目が「よろピクシー」スタンプ。これは軽く借金したい時なんかに使えると思う。ほかに「お願い致しマスク」スタンプと「助かりマスク」スタンプも同系統で用意したので、相手との距離感に応じて使い分けてね~。
四つ目は「I’ve合点」スタンプ。これは英語の「I’ve got it (I got it)」に影響を受けてて、要するに「了解」って意味。ちなみに同じイラストを使い回した「仮sayOK!」スタンプと「なるほ論理」スタンプもあり。前者は「仮にOK」って意味で、何か約束しても、ドタキャンすることってあるじゃない? だからOKする時に前もって「仮」を入れておけば、ちょっとした配慮になる。これは初期段階では「仮性OK!」だったんだけど、審査でリジェクトされちゃったのよね。だから一皮剝けた物言いに改めたの。そして後者の「なるほ論理」は「なるほど」とほぼ同義なんだけど、論理的に納得した感じを出してるので、知的な印象になる。
五つ目は「行ってきマスク」スタンプ。相変わらずのコロナ禍だから、出かける時はマスク必須。ほかに「もうすぐ着きマスク」スタンプもあるので、それは待ち合わせの際に。
六つ目は「オヤスミンC…」スタンプ。寝息って普通、ZZZ…だと思うんだけど、私はもう少しオロナミンに、CCC…なの。就寝前の挨拶用としては「そろそろ寝マスク…」スタンプも作ってみたので、これも使い分けてね~。
そして七つ目は「珍フルエンサー」スタンプ。これは相手が何か変わったこと、面白いことを言った時、それを褒める意味合いで使う感じ。
その他、感謝用と謝罪用に「かたじけなし~」スタンプと「土下THAT…」スタンプも入って、全部で16個入り。少数精鋭だけど、これで大抵の遣り取りはまかなえるはず!
そーゆーわけで、エブリバディSAYおはよんにちんわ~! そして心の中でいいね&フォローよろしく。合言葉は#Oh珍々!
小説家・木下古栗がUOMOで連載!