2019.11.21
最終更新日:2024.03.07

11月22日公開! ゾンビ社会を生き抜いた4人の10年後を描く『ゾンビランド:ダブルタップ』

最近笑ってないかも、泣いてないなというおじさんのために、週末公開の心動かす注目映画を紹介するコラム『40歳男子はコレ観とけ!』。今回は、10年前の前作よりさらにゾンビ化が進んだ世界で、さらに明るく生き抜く4人の仲間を、たっぷりの恐怖とユーモアで描いたサバイバル・コメディをピックアップ!

11月22日公開! ゾンビ社会を生き抜いの画像_1

生きる屍が溢れる世界を生き残るために 大切なのは銃でもルールでもなく…絆!?

2009年、地球は爆発的なウィルス感染により人類はゾンビと化し、数少ない生き残りの1人であるアメリカ・テキサス州の生存者、コロンバスは「生き残るための32のルール」を作り、タラハシー、ウィチタ、リトルロックら仲間とともに、お互いを支え合ったり、裏切ってみたり、恋したり、親の気持ちになったりしながら、明るくゾンビ社会を生き抜いていた。あれから10年。2019年の地球はさらに激しくゾンビ化し、さらに進化を遂げていた…。4人も、さらにパワーアップさせた「73のルール」で生き残りをかける。

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すでにたくさんの手垢がつき、数々の名作が存在するゾンビネタ。新作を出すには、相当面白い物語ではないと、それこそ生き残れないのだ。2009年に公開された前作「ゾンビランド」は、じわじわ迫る恐怖とウィットに富んだ笑い、孤高のサバイバー同士の血の通った絆が三位一体となった人気のエンターテインメント作品として地位を確立した。製作陣が、そんな作品の2作目を作るのに値する脚本を探しているうちに、結果コロンバスたちは10年間サバイブすることとなった。しかし、この長い期間をかけた復活により、倒されてもただでは起きないルーベン・フライシャー監督の情熱と、映画ファンのゾンビ映画に対する怖いもの見たさ(もちろん本作らしいユーモアも見たい!)が、スクリーンを隔てて最高の形で出会うのだ。
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サブタイトルの「ダブルタップ」とは、二度撃ちをして完全にとどめを刺せという意味だ。ゾンビ化が進み、荒廃していった世界では、より強いゾンビが生まれ、生き残るのがどんどん難しくなっている。だが、ゾンビが進化したことで、4人も進化した。彼らの息のあった連携や見とれるほどの戦闘アクション、ほっこりする家族らしい会話を通して、描かれていないこの10年で築いた関係性を楽しむことができる(大人になったリトルロック役のアビゲイルちゃんに驚きを隠せない…)。加えて、新キャラとしてピンクが大好きなセレブ風ギャル、見掛け倒しのなんちゃってヒッピー青年、タラハシー同様エルヴィス・プレスリーマニアの美女が登場するなど、4人の関係に異物が入り、物語をより一層かき回してくれる。本作の主題は、疑似家族が本当の家族になること、といっても言い過ぎではないだろう。「ゾンビ」を冠した映画だが、主役は生きている人たちだ。ゾンビは、幾度となく降りかかる困難の代役であり、壮大な舞台装置である。実際、クライマックスに現れるゾンビたちときたら──(あえて自粛)──物語に登場する生きている人にも死んでいる人にも心を大きく動かされる、風変わりで面白い名作である。

『ゾンビランド:ダブルタップ』

監督:ルーベン・フライシャー
出演:ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、アビゲイル・ブレスリン、エマ・ストーン、ゾーイ・ドゥイッチ、ルーク・ウィルソン、トーマス・ミドルディッチ、ロザリオ・ドーソン

『ゾンビランド:ダブルタップ』公式サイト

Text:Hisamoto Chikaraishi

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