最近笑ってないかも、泣いてないなというおじさんのために、週末公開の心動かす注目映画を紹介するコラム『40歳男子はコレ観とけ!』。今回は、歌うトランペッターと賞賛されたジャズ界のレジェンド、チェット・ベイカーの知られざる最期の数日間を描いたミステリーを紹介します!
栄光と闇の狭間で愛を求めてもがく 伝説的ミュージシャンの死の真相を映す
1988年5月13日金曜日、午前3時。アムステルダムに滞在中のチェット・ベイカーが、宿泊先のホテルの窓から落下して死亡した。いち早く現場に駆けつけた地元の刑事ルーカスは、うつ伏せの状態で頭部から血を流している遺体を確認し、その男が落ちた窓辺に謎めいた人影を目撃する。しかし、チェットがいた殺風景な部屋の内部には誰もおらず、机にはドラッグ用の注射器などが散乱し、床にはトランペットが転がっていた。すぐさまルーカスは捜査に乗り出し、チェットを取り巻く人々、マネージャーのピーター、医師のフィールグッド、ルームメイトのサイモン、そしてチェットの最愛の女性サラに話を聞く。捜査を進めるうちにルーカスは、チェットの傷ついた心の闇に触れていく。やがてチェットがドラッグディーラーに借金返済を迫られていた事実を突き止め、ある“真実”にたどりつく。
『マイ・フーリッシュ・ハート』
監督:ロルフ・ヴァン・アイク出演:スティーヴ・ウォール、ハイス・ナバー、レイモンド・ティリー
2019年11月8日より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
©2018 (PUPKIN) – VPRO
『マイ・フーリッシュ・ハート』公式サイト
Text:Hisamoto Chikaraishi