最近笑ってないかも、泣いてないなというおじさんのために、週末公開の心動かす注目映画を紹介するコラム『40歳男子はコレ観とけ!』。今回は、1970年代のニューヨークに生きる若きカップルの愛と希望を描いた物語をピックアップ!
運命といえる愛を実らせた恋人が 教えてくれる人生に大事なもの
1970年代のニューヨーク。幼い頃からともに育ち、自然と愛を育んだ19歳のティッシュと22歳の恋人ファニー。運命の相手を互いに見出した2人に、新しい命が授けられた。「赤ちゃんができたの」。ティッシュは努めて笑顔で話す。ファニーは無実の罪で留置所にいる。彼はティッシュの言葉を面会室のガラス越しに聞いた。小さないさかいで白人警官の怒りを買った彼は、身に覚えのない強姦罪で逮捕されてしまったのだ。有罪となれば刑務所で恥辱に満ちた日々を送るしかない。2人の愛を守るために家族と友人たちは、ファニーを助け出そうと奔走するが、そこにはさまざまな困難が待ち受けていた…。
「愛があったからお前が生まれた。愛を信じるならうろたえないで」(現状に不安を感じているティッシュに母親がかける言葉) 「愛し合う人間が好きなんだ、色は関係ない。俺はただ母親の息子でしかない。人間の違いは母親が違うだけだ」(不動産仲介の青年がファニーに応えた言葉)
本作を手掛けたのは、『ムーンライト』で2017年アカデミー賞作品賞に輝いたバリー・ジェンキンス監督。ティッシュ役は、シカゴの演劇界で活躍し、L.A.に越してきてわずか3ヶ月でこの役を射止めた新人女優キキ・レイン。ファニー役は、2016年の『栄光のランナー/1936ベルリン』で注目を集めたステファン・ジェームスが務める。若手俳優によるフレッシュな演技と感性を、気鋭監督が『ムーンライト』と同じチームで官能的な映像美で紡いだ、本年度アカデミー賞大本命作品だ。ぜひ劇場で、この感動に酔いしれてほしい。
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『ビール・ストリートの恋人たち』
監督:バリー・ジェンキンス出演:キキ・レイン、ステファン・ジェームス、レジーナ・キング、テヨナ・パリス、コールマン・ドミンゴほか
2019年2月22日より全国公開
©2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.
『ビール・ストリートの恋人たち』公式サイト
Text:Hisamoto Chikaraishi