グラフィカルかつポップな作品を生み出し、ファッション誌やアパレルブランドにもアートワークを提供する花梨さん。想像力をかき立てられる世界観の秘密とは？
花梨さん／コラージュアーティスト・モデル
人物や風景をグラフィカルかつ色鮮やかに組み合わせるなど、素材使いが巧みな花梨さんは、空想好きの少女だったという。
「子どもの頃は絵はがきや絵をスクラップブックに収集していました。好きなものはすべて保存しておいて『もし自分がその世界の中にいたら…』と空想していました。そこで中学生のときに出会ったコラージュという手法が、頭の中の物語の受け皿になってくれたんです。デッサンや平面構成のようなセオリーがある領域とは異なり、正解のない自由さに夢中になりました」。
2022年の夏には初の個展も開催。
「個展を通じて他者の視点まで意識を広げるようになり、一方で何にもとらわれず作品に向き合い、論理的に語れるコンセプトやメッセージを入れ込むことも今はテーマの一つ。映画や小説、アートなどインプットしたものをもとに自分の思考を浮き彫りにする作業を大切にしているし、その時々の感情やコンテクストを盛り込むために作品の素材を買った空間や時間についてメモに残すことも。この『椅子』（右上）という作品は、江戸川乱歩の『人間椅子』やミシェル・ゴンドリー監督の『TOKYO！』からインスピレーションを得て構想したもの。自由に解釈してもらえたらうれしいです」。
今後はコンセプチュアルな連作やアニメーション作品も視野に入れているという。
Karin
1997年東京都生まれ。中学２年のときから作品制作を始める。モデルとしての活動のほか、コラージュアーティストとして国内外のメディアへアートワーク提供を行う。2022年8月、初となる個展「I swim inside of me.私は私の中を泳ぐ。」を開催。
Hair&Make-up:Yosuke Akizuki
Stylist:Masashi Sho
Interview&Text:Takako Nagai
