「自分にもこんなスタンドがあったなら」。まったく知らない人からすれば、さっぱり意味不明であろうこのフレーズ一つとっても、ファンなら何時間でも盛り上がれる。『ジョジョの奇妙な冒険』を愛してやまない女優・モデルの内田理央さんが語る、エバーグリーンな魅力。
絶体絶命の状況を諦めず戦い抜く。そこにドラマと希望があるんです
――大の漫画好き、アニメ好きを公言している内田理央さん。『ジョジョ』に惹かれる理由は何ですか?
内田 たとえ運命が決まっていたとしても、それに立ち向かうことの素晴らしさを感じさせてくれるストーリー。毎回強敵が現れて絶体絶命の中で、いつもどこか弱点を見つけて、劣勢ながらも頭を使って戦い抜く。そこにはドラマと希望があるんです。登場人物たちが身をもって教えてくれる、新しいことに挑戦する意味に共感します。そしてもちろん、独特な色やポーズ、コマのリズム、セリフ回しなどによる、この作品でしか見られない、ビジュアル的な強烈な世界観も大好きです。
――ハマりすぎた結果、ジョジョ立ちを研究していた、と聞きましたが…。
内田 はい。好きすぎて、キャラクターに近づきたくてあのポーズを覚えたいと思ったんです。あるオーディションで特技を聞かれて、とっさに、法学部だったこともあって憲法の条文を発声しながらジョジョ立ち10連発を披露してしまった…なんてことも。そのときは落ちてしまったのですが(笑)、多くの方に名前を覚えていただけました。
――特に好きなキャラクターは?
内田 第4部に登場する漫画家の岸辺露伴先生! ストイックで強引な性格で、どこか謎めいていて闇を感じるんです。といってもまだ20歳なんですけど(笑)。トレードマークであるヘアバンドに、私が好きなピンクやグリーンのものをよく使っているから好きというのもあります(笑)。ほかには第6部の空条徐倫。『ジョジョ』シリーズで初めての女性の主人公で、このシリーズが始まったときは同性として本当にうれしかったですね。
――好きな物語も、同じく第4部と第6部なのでしょうか。
内田 そうですね。第4部は岸辺露伴先生がいる世界というのもありますが、杜王町という不穏な空気が流れる狭い町の中だけで繰り広げられる日常の冒険が面白くって。第6部は、雨が降るラストのシーンが大好きで、『ジョジョ』で泣いたのはここが初めて。これは、悲しさというより、長い戦いが終わったという安堵感からくる涙。ネタバレになるので詳しく語りませんが、読むことをおすすめします!
――物語とキャラクターへの愛を感じます! そんな内田さんが欲しいスタンドの能力はなんでしょうか。
内田 第4部の宮本輝之輔という少年がもつ、すべてのものを紙に封印できるエニグマの能力ですね。超便利(笑)。どこへ行くにも荷物を紙にして手ぶらで行けちゃう! ただ、生き物を捕まえて紙の中に閉じ込める場合は、対象者が心から恐れたときに無意識に行う恐怖のサインを見つけないといけないという制約がある点が素晴らしい。一見完璧なものも、穴があるというのが『ジョジョ』にのめり込む理由なのかもしれませんね。生きた誰かを封印するつもりはないけれど(笑)、無機物はとにかくいっぱいしまいたいです。
シャツ¥39,000/スタジオ ニコルソン(キーロ)
1991年東京都生まれ。女優、モデルとして活躍。10月に出演映画『あのコの、トリコ。』『ここは退屈迎えに来て』が公開。大学時代の友達に教えてもらったのをきっかけにハマり、コミックスは全巻コンプリート!
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キーロ TEL:03-3710-9696
Hair&Make-up:Jiro for kilico.[kilico.]
Stylist:Junichi Nishimata
Text:Hisamoto Chikaraishi
Movie:Iwamototaisei(TranSe)
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋
【会期】開催中~10月1日(休館日:火曜)
【開館時間】10時~18時 ※金・土曜は21時まで ※最終入場は閉館の30分前まで ※本展覧会は完全日時指定制となります。
【会場】国立新美術館 企画展示室2E 東京都港区六本木7の22の2
【問い合わせ】TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル)
展示のその他詳細は、jojoex-2018.comを!
発売中のUOMO10月号は表紙のブチャラティが目印です。
荒木飛呂彦さんのインタビューのほか、ディーン・フジオカさんをはじめ、ケンドーコバヤシさん、西野七瀬さん、最果タヒさんなど『ジョジョの奇妙な冒険』を愛してやまない方々の「ジョジョ愛」満載の証言が掲載されているUOMO10月号の試し読みは→こちら