先の4月、ウェブ抽選販売のうえ即完売した「LEVI’S® × NIGO®」のコラボ第3弾には実は‟元ネタ”があった。港区某所にて関係者のみに披露されたNIGO®所有の私物「501®」から、1990年代のジーンズヒストリーを読み解こう。
すでに完売しているが、ジーンズのパイオニアブランドである「Levi’s®(リーバイス®)」と、日本のストリートファッションの草分け的存在であり「HUMAN MADE(ヒューマンメイド)」のファウンダーでもある「NIGO®」との3度目のコラボが先の4月にリリース。ウェブでの抽選予約のうえ販売された。もちろん即完売。
NIGO®ファン垂涎のコラボアイテムは、意表を突くヒッコリーストライプ素材を使用した「501®」(¥37,400)と「557XX トラッカージャケット」(¥50,600)の2ピース。パンツは脇割りセルビッジ仕上げだ。
Y神とH條が訪れたシークレットなゲストハウスにて、今はもう買えない「LEVI’S® X NIGO®」コラボ第3弾のサンプルが展示されていた。
H條:完売です。
ヒッコリーストライプのコラボ第3弾は、記念すべきNIGO®コラボ第1弾として2021年7月に発売された1950年代モデルの「Levi’s® Type II Trucker Jacket」(¥96,800)と1915年モデルの「Levi’s® 501® Jeans」(¥78,650)よりもリーズナブル。
また、コラボ第2弾として2022年8月に発売された、NIGO®率いるクリエイティブチームが共同で手掛けたルーズフィットデニム「Levi’s® SilverTab」よりもカジュアルでスタンダードな印象だ。
本稿ではそこにフォーカスする。
‟文化系男子”を自称する取材陣のY神とH條、多少緊張しつつ、襟を正して足を踏み入れた。
今回のコラボ第3弾の直接の着想源になった「501®」がこちら。NIGO®が1995年頃に古着屋で購入した1本は、現在はもちろん28年前の当時でも珍品扱いのヒッコリーストライプ生地が使われていたのだ。
①ヒッコリーストライプの501®(1995年頃)
「501®でなければ買っていなかったと思います。それ以来、ヒッコリー素材の501®を目にしたことがなかったので、今回のコラボのベースにしました。もちろんブルーデニムも良いですが、ヒッコリーストライプはとても新鮮で、今の気分にもマッチしています」とNIGO®は述懐している。
H條:なかなかにエモい。若かりし頃の想いが花開いたコラボだったとは。
Y神:いかにも。
購入時は1987年。36年もの経年変化によりアンティークウオッシュのような見事な色落ちに行き着いている。これぞ、ジーンズヒストリー。
②初めて購入した501®(1987年)
Y神:リジッドの可能性もあるね。
「1987年、16歳のときに新品で購入しました。右ひざ部分のダメージは、当時住んでいた家の近くのコンビニにあったペンゴ(Pengo)というゲーム台でいつも片ひざをついて遊んでいたからです」とNIGO®。
③文化服装学院時代の501®(1990年代初頭)
Y神:シュッとしてらっしゃった。
故郷である群馬県前橋市から上京し、文化服装学院に入学した90年代に上野のアメ横で購入した「501®」がこちら。当時のNIGO®のお気に入りで、これにラバーソールを合わせて通学していたという。
④親に言われて購入し直した501®(1990年代初頭)
H條:私も一度も洗わずに育てていたリジッドデニムを母親が洗濯機で洗ってしまうという憂き目に。
Y神:めっちゃわかる。
⑤ホワイトリーバイス501®(1980年代後半)
「1980年代後半にスタイル・カウンシル(Style Council)のポール・ウェラー(Paul Weller)に憧れて購入しました。着用してみると、ホワイトは当時のボクにはあまりしっくりこなかったので、数回着用して以降はクローゼットに保管していました」とNIGO®。
H條:私の憧れはジーパン刑事を演じた松田優作さんからのパフィーの吉村由美さんでした。
Y神:夜通し語れるよねぇ。
ジーンズの採用品番は「501®」でまず間違いないだろう。展示されていたNIGO®の私物から、未だ見ぬコラボアイテムを予想してみるのも一興だ。
リーバイス501®の150周年アイテムを知りたい!
購入抽選応募期間:2023年3月30日~4月2日(※終了)
テーマ:The Future is in the Past
アイテム:× NIGO HICKORY STRIPE
501®(¥37,400), TRUCKER JACKET(¥50,600)
LEVI’S® X NIGO®
Text: Takafumi Hojoh