マンガの中には心揺さぶられる名言がたくさんある。そんな名言の数々を、現在連載中の作品から劇画狼がピックアップ! 来世で使いたいと思ってしまう名セリフを紹介します。
なりたい! なりたい! 本能のままにすべてをたたき切る、一振りの刃になりたーい!
…社会の荒波に揉まれてもう10年、20年。言われたことだけやって自分を伸ばしていればよかった時代はもうとっくに過ぎ去った。周りから求められるのはリーダーとして、マネージャーとしての総合力、調整力、管理力。
あのね、そういうのはもういいでしょう。世界が一周回って求められるのは、不器用力! 人間としてのレーダーチャートがめちゃくちゃにとがって破綻しているほど人生は楽しい。中途半端な器用貧乏で人生を終わらせたくなければ、問答無用で『アラタの獣』を読め!
“御本尊”から力を与えられ、海洋生物を模した姿に変身した荼毘泥が、黎と切り結びながら叫ぶ「ドスの仕事ってのはよォ 殺す以外要らねえ!! だから斬れんだよ!! だからもっと! 俺はもっと! 不器用になるゼェェッ!!」は人生の心理! シンプルな哲学は、それゆえにしなり、折れない。目の前の一つのことだけを、常軌を逸した強度で練り上げる生き方は、成功した場合にはこれ以上ない輝きを放つ。
お魚くわえたドラ猫を追いかけることに全人生を賭けて財布を忘れても全然いいし、なんだったら服を着るのを忘れて全裸で走り回ってもいい。意味深なことを書いてうまいこと言った感を出して締めようとしたけど、全然うまく言えていないし、残念ながらこの生き方が称賛される世界は現世には少ない! 一本のネジとして人生を終えたい!
『アラタの獣』
原作/本兌有・杉ライカ 作画/羽生生純
1〜2巻発売中/KADOKAWA
月刊「コミックビーム」連載中
近未来の東京を舞台とした、泊黎と異形化ヤクザとの壮絶な死闘! 『恋の門』の羽生生純と『ニンジャスレイヤー』の本兌有+杉ライカが描くアクション活劇、開幕!
劇画狼
特殊出版レーベル・おおかみ書房代表。プロの漫画家が商業誌に掲載したが単行本化されなかった未収録作品の書籍化や書評、大阪の画廊モモモグラでの原画展企画、イベント司会など。