数多くの漫画を見てきたマンガ編集者が「おもしろい」と思わず口に出してしまう作品がある。今回取り上げるのは、渡辺電機(株)先生の『父娘ぐらし 55歳独身マンガ家が8歳の娘の父親になる話』だ。
理想の“お父さん”のヒーローが この中に存在しているんです
育児エッセイコミックって、例えば青沼貴子先生の『ママはぽよぽよザウルスがお好き』から、西原理恵子先生の『毎日かあさん』まで、幅広いですよね。その中には、吉田戦車先生の『まんが親』、福満しげゆき先生の『妻と僕の小規模な育児』のように、父親目線で育児を描いた作品もありますが、例えば『まんが親』は子どもというよりは吉田戦車・伊藤理佐夫妻のキャラクターに強く焦点が当てられているし、『妻と僕の小規模な育児』でも、福満先生は、ちょっと引いた視点から妻と子を描いています。
『父娘ぐらし
55歳独身マンガ家が
8歳の娘の父親になる話』
渡辺電機(株)/KADOKAWA
55歳独身マンガ家である作者がシングルマザーと結婚。諸事情で、小学生の娘との二人暮らしをすることに――。それまでの人生で感じることのなかった喜びや発見が押し寄せる。
「マンガ大賞」発起人を唸らせた必修アニメ!
浅田貴典
1973年生まれ。マンガ編集者。週刊少年ジャンプ、ジャンプスクエアで『ONE PIECE』『BLEACH』『血界戦線』などを立ち上げた。現在は集英社第3編集部部次長、第3編企画室室長。