NHK総合で昨年末に放送され人気を博した実写ドラマ『岸辺露伴は動かない』が今年も新作が放送される。主演はもちろん高橋一生、現時点での解禁情報は、3演者のキャスティングのみ。“文化系男子”は要注目だ。
“原作:荒木飛呂彦 × 主演:高橋一生”の神懸り的な共振ぶりが絶賛された昨年12月放送の実写ドラマ『岸辺露伴は動かない』が、2021年の今年も放送決定。新作エピソードの3作(第4~6話)が師走の世に放たれる。
漫画家・岸辺露伴を演じる高橋一生と露伴の担当編集者である泉京香を演じる飯豊まりえ、鉄板のメインキャスト2人の配役は昨年放送時と変わらず。
現時点での解禁情報は「笠松将(第4話)」「市川猿之助(第5話)」「内田理央(第6話)」のキャスティングのみ。放送日はおろか、ドラマ化タイトルも未発表なのだ。
この事態は好奇心がツンツン刺激される。「岸辺露伴は動かない」を読破している“文化系男子”ならば、「各キャストの出演エピソード」が絶対に気になるはず。
そこで、真夏の夜の大放談。情報解禁されたキャストの風貌と願望をもとに、ドラマ化される3作品を(勝手に)大予想してみた。関係者&関係各社およびステークホルダーの皆様、悪しからずご了承ください。
まずは、現時点での既出・解禁情報を整理しよう。
仙台が生んだ稀代の天才漫画家・荒木飛呂彦先生が描く短編漫画「岸辺露伴は動かない」は、現在2巻まで発行(集英社刊)。漫画「ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない」ではサブキャラ扱いの岸辺露伴を主人公に据えたスピンオフ関連作品は、漫画・小説・特別版など計19作品存在する(たぶん)。
これらの作品群の中で、昨年12月28日から30日まで3日連続で放送された「富豪村」「くしゃがら」「D・N・A」の3作は、既に実写ドラマ化済みである。
加えて、コロナ禍での海外ロケの忌避により、「懺悔室」「岸辺露伴 グッチへ行く」「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の3作は今回は除外されたと予想する。イタリア人料理家のトニオ・トラサルディーなど、物語のキーパーソンとなる外国人登場キャラに日本人は配役されないと仮定するならば、「密漁海岸」「Blackstar.(短編小説)」の2作も除外されたのではないだろうか・・・。
第4話ゲスト:笠松将
▼大本命:「ザ・ラン」「岸辺露伴は動かない 2」収録
杜王グランドホテル8階のジムに通う俳優志望の橋本陽馬が笠松将にシンクロ。2人の体躯(笠松:公称182cm/橋本陽馬:178cm設定)も近似し、高速ランマシンで露伴と繰り広げるノンストップバトルの疾走感はテレビ向きでもある。ちなみに露伴はめっちゃ動く。
▼対抗:「シンメトリー・ルーム」「岸辺露伴は戯れない 短編小説集」収録
北國ばらっど・著の短編小説。行間から滲み出る、左右対称の美意識に囚われた若き天才建築家、土山章平のイメージは笠松将にピタリとハマる。昨年末の3部作においても短編小説集から1編「くしゃがら」が収録されており、今回も同様の構成かもしれない。
第5話ゲスト:市川猿之助
▼本命:「月曜日 天気-雨」「岸辺露伴は動かない 2」収録
露伴が駅で電車を待っている際にぶつかった、名も無き肥満男性に配役か。スマホの回路に住み着くという架空の昆虫ホラーは空寒いリアリティがある。世相を反映して群衆はマスク姿にして欲しい。日常回は映像化しやすそうだが、彼の末路を想うとやりきれない。
▼単穴:「望月家のお月見」「岸辺露伴は動かない 2」収録
先祖が必ず中秋の名月に死ぬという奇妙な宿命を持つ望月家16代目家長、望月昇(50歳会社員)の作中画と市川猿之助が激似。杜王町のイタリアン「トラサルディー」で語り出す高橋一生の所作を見たいところだが、師走に9月設定は突然すぎるか。ウサギは誰が演る?
第6話ゲスト:内田理央
▼大本命:「六壁坂(むつかべざか)」「岸辺露伴は動かない」収録
味噌作りで栄えた大郷家の一人娘であり人妻の楠宝子(なおこ)を演じて欲しい。大量出血、ミイラ化、妖怪変化など、通常ドラマでは映像化が難しい箇所も多い。救いのあった昨年末の最終話と比較すると、忸怩たる想いを胸に新年の味噌汁を飲んでしまいそうだ。
▼大穴:「血栞塗(ちしおりみどろ)」」「岸辺露伴は叫ばない 短編小説集」収録
宮本深礼・著の短編小説。図書館司書の女性が適役。河豚を食した際の中毒症状が記された書籍を目当てにS市図書館を訪れ、司書との対峙を経て、スタンド能力の「ヘブンズ・ドアー」で彼女を本にした露伴。果たして、内田理央も本になってしまうのか!?。
以下、19タイトルを列記する。“文化系男子”同士で、令和の名作と誉れ高いNHKドラマ『岸辺露伴は動かない』の内容を予想してみてはどうだろう。味もみておこう。
「岸辺露伴は動かない」第1巻収録作品は、「エピソード#16:懺悔室」「#02:六壁坂」「#05:富豪村」「#06:密漁海岸」「SPUR2011年10月号特別企画:岸辺露伴 グッチへ行く」の5作品。なお、タイトルに付随する数字は発表順ではないので念のため。
第2巻収録作品は、「エピソード#04:望月家のお月見」「#07:月曜日 天気-雨」「#08:D・N・A」「#09:ザ・ラン」の4作品あり、短編漫画は計9作になる。加えて、2011年5月にフルカラー版で発行された愛蔵版「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を含めると、漫画版は計10作品ある。
加えて、世界観を引き継ぐ短編小説集として『岸辺露伴は叫ばない 短編小説集』と続編の『岸辺露伴は戯れない 短編小説集』も存在する。維羽裕介、北國ばらっど、宮本深礼、吉上亮の4人の小説家が執筆。
“叫ばない”収録は「くしゃがら」「Blackstar.」「血栞塗」「検閲方程式」「オカミサマ」の5編あり、“戯れない”収録は「幸福の箱」「夕柳台」「シンメトリー・ルーム」「楽園の落穂」の4編。短編小説版は計9作品ある。
NHK広報部からの追加情報を心待ちにしよう。
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Text: Takafumi Hojoh