時計も手土産も、会う人を想って選ぶもの。毎月気になる時計の新作をピックして、ユニークな共通点のある手土産を一緒にお届けする。
伝統を継承した小径ウォッチ
時計
Grand Seiko
SBGW297
ポリッシングを施した平面と平面を組み合わせてシャープな造形を作るのが、グランドセイコーのケースデザインの定石。これが生まれる原点となった1967年製「44GS」を継承するモデルで、ケースはかなりコンパクト。放射状に刻みの入るダイヤルは型打ち技法で仕上げた。凜とした時間が流れる時計だ。自動巻き。SS。ケース径36.5㎜。¥693,000/グランドセイコー(セイコーウオッチ お客様相談室)
ふわっととろける極上の穴子寿司
手土産
すし乃池
名代 穴子寿司
各界の文化人や著名人がひいきにしてきた東京・台東区の名店「すし乃池」。丁寧に仕事をした江戸前寿司を提供する、地元に根差した寿司屋だが、名物は酒や醬油などでふっくらと1時間ほど煮上げた穴子のお寿司。創業時から継ぎ足してきたツメはあっさりした味わいなので、次から次へと箸が進んでしまう。折り詰めでもその味わいを十分に楽しめるので、手土産の際には少し多めに買っていきたい。事前に電話予約を忘れずに。¥2,800/すし乃池
師走は、和のモノが身にしみる
師走の声を聞くと、不思議と気持ちが焦りだす。何かとバタバタする時期だからこそ気を落ち着けて、今年一年をなんとか無事に収めたい。
そんな時間を刻むのは、やはり日本の時計の代名詞であるグランドセイコーがいいだろう。「ヘリテージコレクション SBGW297」は、小ぶりなサイズの時計だが、グランドセイコーの伝統である平面とキレのある稜線で構成されるケースが特徴。陰翳を好む日本の美意識から導き出された、静かな奥ゆかしさがある。
この時計をつけて、年末のあいさつがてらホームパーティに向かうなら、すし乃池の「折詰 穴子寿司」を手土産に選んでみてはどうだろう。
折り詰めの中には、ふっくらと煮上がった穴子のお寿司が8個。ツメは後がけ式なので、そのプレゼンテーションも含め手土産に向いている。デリ系やスイーツは別の参加者とのネタかぶりも気になるが、寿司、しかも穴子寿司なら、そのセンスに一目置かれること間違いなしだ。
師走の慌ただしさの中でホッとできるのは、やはり和のもの。そんな気持ちは、年を重ねるほどわかるものだ。
時計を選んだ人
篠田哲生 | 時計ジャーナリスト
40を超える媒体で時計企画を担当し、イベントの企画なども手がける。手土産はあげるよりも、もらうほうが多い。
手土産を選んだ人
小林 新 | スタイリスト
広告や雑誌で活躍。撮影現場などに持っていく手土産に一家言アリ。時計好きでもあり、ヴィンテージを複数持つ。
グランドセイコーに関するおすすめ記事はコレ!
Stylist:Arata Kobayashi[UM]
Text:Tetsuo Shinoda