久々に通常開催となった「Watches and Wonders」などで発表された新作時計を、目利きたちが注目のトレンド別にガチレビュー。その魅力を深掘りする!
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

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普段使いに最適な
ちょうどよすぎるラグスポ
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ルーツは1970年代!
古くて新しい時計界の注目株
小林 ラグジュアリースポーツウォッチが人気ですし、実際僕も気になっています。でもその熱気がいつまで続くのだろうかとも思う。だって人気すぎて店頭にまったくないんですから。
かっぴー 価格と品質のバランスって、大切ですよね。今回見せてもらったモデルは、実際の価格よりもかなり高価に見えました。
江口 基本的に1970年代のデザインをルーツにしていますし、その時代がもっていたムードを楽しみたいですね。
後藤 そうそう。ちょっとおじさんっぽい感じがいいんです!
ボーム&メルシエ
歴史の深さとクオリティは間違いなし時計通を名乗れるスイスの実力派
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1リビエラ ボーマティック
1830年に創業し、一度も途切れることなくブランドを継承してきたスイス屈指の老舗。「リビエラ」は1973年にデビューしたモデルで、南仏の優雅な空気感を取り入れたデザインで人気。今年はケース径を39㎜に縮小したことで、さらに美しさが際立った。搭載ムーブメントは自社設計の「ボーマティック」。高精度、高耐磁、ロングパワーリザーブの高性能メカだ。自動巻き。SS。ケース径39㎜。¥517,000/ボーム&メルシエ
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高見えの時計ですね。初めに値段を伏せて見ていたので、もっと高価だと思っていました。ハーフスケルトンのダイヤルもきれい。時計をよく知っている人が選ぶ一本かな(かっぴー)
搭載するボーマティックムーブメントがすごく優秀。5日間パワーリザーブで、この値段だなんて!(後藤)
ティソ
価格以上の価値をもつ普段着感覚のラグスポ
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2PRX パワーマティック80 アイスブルー
スイスを代表するメガブランドであるティソ。幾多の傑作をリリースしてきたが、1978年にデビューしたこの「PRX」もその一つ。フラットかつエッジのきいたケースは、高級感たっぷりで、華やかなアイスブルーダイヤルは手元のアクセントになる。最長80時間連続駆動のムーブメント「パワーマティック80」を搭載しており、時計としてのポテンシャルもハイレベル。自動巻き。SS。ケース径40㎜。¥103,400/ティソ
スポーツウォッチはこうあるべきというデザイン理念が、この時計にはある。ドレスウォッチを得意とするメーカーが作ったラグスポとはまた違った思想。それがすごく面白い(江口)
フレデリック・コンスタント
ブランド創立35周年を祝うハイクオリティモデル
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3ハイライフ ワールドタイマー マニュファクチュール
ケースからストラップへと流れるようにつながるシルエットは、ラグスポの典型的なデザインコード。そこに24時間リングと都市表示を組み合わせて世界中の時刻を同時に表示するワールドタイム機構を搭載したこのモデルは、ブランド創立35周年を記念して、チョコレートブラウン色を採用。SSブレスレットとラバーストラップも付属する。自動巻き。SS。ケース径41㎜。¥616,000/フレデリック・コンスタント相談室
これ一応ね、僕は“おじ時計”として選んでみました。個人的に気になるジャンルで、ちょっとおじさんっぽい時計を探している。ワールドタイマーは表示が込み合っているでしょ。その感じに、なぜか惹かれるんですよね(後藤)
※文中すべて、SS=ステンレススチールの略です。
Text:Tetsuo Shinoda