カーボンニュートラルな環境意識の高まりとともに続々と誕生しているEV。もはや次にクルマを買うならEVしかない?
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Vol.9
アウディ最強のEVでSF名作さながらの世界へ!
Audi RS e-tron GT
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型破りな800VのEV専用プラットフォームを使ったアウディ・e-tron GT。全長4990㎜、全幅1965㎜と大きいが、空気抵抗に優れたクーペフォルムが美しい。航続距離はカタログ値で534㎞、車両価格は1799万円。7月1日からは、プラットフォームを共有するアウディとポルシェがもつ国内の急速充電器を、両ブランドのオーナーが使えるサービス網を展開する予定。
今回登場するEVは、アウディのフラッグシップである「RS e-tron GT」。ポルシェ・タイカンとプラットフォームを共有するハイエンドな造りや、躍動感あるデザインからも目が離せないけれど、思わずうなってしまうのは、アウディのEVに冠される「トロン」というネーミング。SF映画の古典的傑作『トロン』を想起させ、ある世代の人なら思わずうれしくなるはずです。
ご存じない方にお伝えしておくと、トロンは1982年に公開された作品。主人公はコンピューターの仮想現実の中に入ってドラマを繰り広げる。当時のCGを駆使したビジュアルは今観ても美しく…というわけで、今回は私がイメージするアウディ×トロンを勝手にビジュアル化してみました(笑)。レザースーツとヘルメットに身を包むのは、私(右)と編集担当の西坂さん(左)。
実際に乗った感想は、パフォーマンスグレードだけあって加速力が圧倒的。0-100㎞/hのカタログ値はなんと3.3秒! 試しに踏み込むと、背中がシートに張りついて一気に景色が流れてゆく…。もちろん航続距離も申し分なし。充電がてら海ほたるに向かう道中、アウディの上位グレードに備わるバング&オルフセンのサウンドシステムが、EVの静粛性と相まって上質な移動空間を演出してくれます。気づけば、スタッフは目が“とろん”となって寝落ち…。対する私は、映画の世界に入り込んだようなひと時を十分味わえました。「e-tron」のネーミングに間違いはなさそうです。
神保匠吾
1982年福岡県生まれ。オンラインモーターマガジン「DRIVETHRU」ディレクター。学生時代に乗っていたBMW初代3シリーズ(E21)を電動化し、EVライフを実践中。詳しくはhttps://drivethru.jpへ。
文化系男子は電気自動車の夢を見るか?
Text:Shogo Jimbo