第94回アカデミー賞で、作品賞、監督賞など4部門にノミネートされている映画『ドライブ・マイ・カー』。作品中で西島秀俊が演じる家福悠介の愛車として登場するのが「サーブ900ターボ」だ。このクルマを実際に所有しているオーナーに、その魅力を聞いてみた。
サーブ 900ターボ 16S 1991年式
親父が乗っていたサーブのよさを今度は自分の家族と味わえた。
元航空機メーカーらしい個性的な設計がたまらない
山崎 憲さん(41歳)/HALO magic デザイナー
家に初めて黒いサーブ 900 カブリオレがやってきたのは、山崎さんがまだ小学生の頃だった。
「親父が900に乗っていて、私が18歳で免許を取って最初に運転したのも親父のクルマでした。湾曲したフロントガラスなど個性的な造りが好きで」
山崎さんは、いつか余裕ができたらもう一度900に乗ろうと心に決めたという。そして今年2月、20年越しの思いを実らせ、900のセダンを都内の専門店から購入した。
「二人目の子が生まれてからは国産のミニバンに乗っていましたがなんか物足りなくて…。900は内装の匂いや音も懐かしいし、親父と同じく私も靴職人なので、雰囲気のあるクルマのほうが仕事にもいい影響が出るかなと」
早速、窓や冷却系の故障を経験したが、痛手の出費にはならず今は好調。仕事に子どもの送り迎え、趣味のサーフィンと、これ一台でこなしている。
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Photos:Kosuke Tamura
Text:Takeshi Sato
Text:Takeshi Sato