’80年代から’90年代にかけて製造された、ネオクラシックと呼ばれるクルマが人気だ。角張った直線的なフォルムと機械的な操作性が魅力だが、故障のリスクが高いのも事実。若い頃とは環境が変わり、家庭があったり使えるお金も限られているわけで…。ただ状態のいい人気の車種は年々価格が高騰し、買うなら今がラストチャンス!?
Citroën BX
シトロエン BXをあきらめられない!
グレード:BX GTi
年式:1992年
価格:99.9万円※
※車両価格(諸費用除く)
平沢達哉さん(35歳)
オンラインセレクトショップのディレクションなどを手がける2児の父。知人のシトロエン CXの乗り心地と、個性的なスタイルに魅了され、初の愛車はBXと決めてきた。ただファミリーカーとしては心配も多いが…はたして!?
魔法の絨毯のような乗り心地が忘れられない
BX一択な平沢さんだが、古いラテン車は壊れやすい印象も。どこに気をつけるべきか、仏車に強いエーゼットオートの小玉武彦さんに聞いた。
平沢 実はクルマを所有するのは初めてで、若干ハードルの高さを感じています。でも、あの浮遊感のある乗り心地が忘れられなくて…。
小玉 かつてのシトロエンは、ハイドロニューマチックというオイルと窒素ガスを組み合わせた機構で、足まわりやブレーキを制御していました。普通の金属バネのクルマとは乗り心地が格段に違うのはそのためです。
平沢 そういう仕組みなんですね。程度のいいBXを探すコツって?
小玉 整備記録が残っている個体を探すのがはじめの一歩でしょう。例えばウチのこのクルマは入念に整備されていて、タイミングベルトという重要な部品も2度定期交換されています。
平沢 あとはハイドロはお金がかかると聞いて、それがちょっと心配で…。
小玉 そこは乗り方次第とも言えます。
平沢 家族4人で週末に使いたくて。
小玉 毎日使うのでなければ、乗りながら手を入れていくのもアリです。例えばハイドロの要になるスフィアという部品は、消耗品なので5万キロをめどに交換する必要があります。あとは油圧のホースも定期交換を推奨しています。部品は手に入りにくいものもありますが、今ならまだどうにかなることが多い。これはエンジンとエアコンも快調なので、すぐに大きなお金がかかることはなさそうです。
平沢 デザインもシートの柔らかさもヤバいし、このまま乗って帰りたい。
小玉 万一動かなくなってもウチには面白い代車がたくさんありますよ(笑)。
aダッシュボードのひび割れや変色からも保管状況がうかがえる。この個体はかなりきれいだ。ボビンと呼ばれる個性的な計器類を備える前期型も魅力的だが出物はめったにない。
bデザインは、ランボルギーニ・カウンタックも手がけた鬼才、ガンディーニによる。ハイドロは車高を変えることができ、これがいちばん低くした状態。ハイドロは常に車高を一定に保つため、荷物や人の重量が増えてもこれ以上は下がらない。
c油圧システムの状態は特に重要。写真のオイルポンプからLHMという緑のオイルが漏れると一大事。定期的な油量の確認も大事だが、オイルを送るホースのチェックも入念に。
d球状の部品がスフィア。油圧を蓄える役割を果たす。要定期交換部品で、部品代は一つ3万円ほどで4つ必要になる。
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Text:Takeshi Sato