ファミリーカーでもけっしてガマンしたくない、楽しく乗りたい、と願う読者は多いはず。今回はモータージャーナリストが責任をもってオススメする最新の8台に読者が試乗! 本格派のSUVからコンパクトEV、ミニバン、スポーツモデルまでリアルな意見が集まった。
試乗したのは…
自動車メーカーでデザイナーを経験後、某家電メーカーに転職。子持ちでEVにも一家言あり。
二人の子どもがいるUOMOお馴染みのスタイリスト。現在の愛車はBMW M3セダン(E90)。
元祖ホットハッチの魅力は健在!|Volkswagen Golf GTI
マニアックすぎないのがゴルフのよさ。(杉山)
長年「コンパクトカーのメートル原器」と言われ、大衆車の世界的ベンチマークとなり続けてきたフォルクスワーゲン・ゴルフ。中でもスポーツモデルのGTIは、1976年から続く元祖ホットハッチ。その末裔がこの8代目であり、全長4・2m台ボディに大人5人と300L後半のラゲッジを備える。人気のあるセグメントだが、いまだにライバルを畏怖させる魅力とはなんなのか。
「合理的なパッケージングはもちろんですが、走りも細部もつくり込みがスゴい。例えば前後ドアに隠れたピラー(柱)一つをとっても、きちんとデザインされています。この力の入れようは、ほかではなかなか見られないかもしれないですね」(杉山)
さらに低くスポーティに見える窓枠のラインや、シャープなラインをパキッと入れたバンパーなど、ゴルフらしさを残しながら美しく見せるアイデアが詰まっている。走りも一級だ。
「普通に19インチの高扁平タイヤをはいて、この乗り心地のよさ。内装もシンプルでセンスがよく、使い勝手に優れています」と庄さん。走れて便利で大人っぽいのがGTIなのだ。
推しのポイント①|今なおベンチマークとなるハッチバックの始祖
「パワーやコーナリングなど部分的にゴルフに勝るクルマはある気がします。が、走りと使い勝手、デザインの総合力ではかなわないです」(杉山)
「前にゴルフⅣに乗っていたことがありました。合理的でしゃれた内装がいいんですよね。スイッチ類を残しているのも使いやすい」(庄)
推しのポイント②|スポーティな演出が上手なエンジン
「2Lターボのパワーもそうですが、シフトの演出もうまい。乾いた音にバブリング音が気持ちいい。シフトショックも少なめです」(庄)
推しのポイント③|全長4.2m台で大人5人と荷物が載るパッケージ
「リアシートもゆったり座れてラゲッジも380Lと十分。ありそうでない利便性とカッコよさ。世界の衝突基準をクリアしているというからスゴいです」(杉山)
「GTI伝統のチェックシートはドイツ的な遊び心ですね。牧歌的でレーシーになりすぎない。ただ車内のアンビエントライトにはびっくり。トレンドではありますがやや艶っぽいかも」(杉山)
自動車メーカーエンジニア、雑誌「NAVI」を経て現在も多数の雑誌で活躍。またTBSラジオ、webCG、経済系のWebサイト、YouTubeチャンネル「KozziTV」で連載をもつ。愛車は軽からキャンピングカーまで幅広く経験。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。