ファミリーカーでもけっしてガマンしたくない、楽しく乗りたい、と願う読者は多いはず。今回はモータージャーナリストが責任をもってオススメする最新の8台に読者が試乗! 本格派のSUVからコンパクトEV、ミニバン、スポーツモデルまでリアルな意見が集まった。
試乗したのは…
自動車メーカーでデザイナーを経験後、某家電メーカーに転職。子持ちでEVにも一家言あり。
二人の子どもがいるUOMOお馴染みのスタイリスト。現在の愛車はBMW M3セダン(E90)。
コワモテじゃないデザイン上手なミニバン|NISSAN SERENA e-POWER
クールなデジタル家電がクルマになった感じ。(杉山)
今回のファミリーカーの中で、ミニバンは楽しさという点では地味かもしれない。が、日産・セレナは、トヨタ・ノア&ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴンと並ぶ国産ミニバン御三家の一つで、今回試乗したe-POWERルキシオンは、革調シートやプロパイロット2・0なる運転支援技術がつく最上級グレード。3列シートが並んで広々とした空間が広がる。サイズも全長4・7m×全幅1・7m強と扱いやすい。
家電デザインを手がける杉山さんは独自の視点でレビューする。
「セレナはトヨタやホンダとは明らかに違って、デジタルなキャラを立たせていると思いました。アルファベットのAに見えるフロントピラー(窓の柱)もそうですし、ノーズは大胆に下がってリアのCピラーは大胆にキックアップ。顔の「Vモーショングリル」はマイルドな印象ですが、LEDライトが並んでデジタル感が強い。家電的なカッコよさを感じます」
走りの印象も評価は高め。「ステアリングはとことん軽くてスムーズ。e-POWERは、いかにもハイブリッド、というエンジンとモーターがつながる感じがなく、EVのようにスッと速い。サイズを感じさせません」(庄)
推しのポイント①|e-POWERでEVのように出足が軽い
「出だしはモーターだから、今回乗ったミニのEVに近い加速で気持ちいい。見た目のイメージとのギャップに驚かされます」(庄)
推しのポイント②|調整できて“使える”3列目シート
「3列目の広さはこのクラスにしては余裕がありますね。身長170㎝を超える大人でも余裕で座れてスライドも可。座面自体も大きくて座り心地はいい。貧乏くじを引いた気分になりません」(杉山)
「ガラスハッチは便利ですね。2、3列目も快適だし、やっぱり人を乗せることにかけては日本のミニバンは素晴らしい。4人家族以上は特におすすめだと思います」(庄)
推しのポイント③|クリーンでスマートな顔つきは好感度大
「いかついミニバンが多い中で、セレナはデジタル感が強くて安っぽさもない。売れそうな顔だと思います」(杉山)
「メーターと中央のダブルディスプレイは段差がつけてあって見やすい。シフトはボタンスイッチ式で直感的に触れる。確信犯な家電的デザインです」(杉山)
自動車メーカーエンジニア、雑誌「NAVI」を経て現在も多数の雑誌で活躍。またTBSラジオ、webCG、経済系のWebサイト、YouTubeチャンネル「KozziTV」で連載をもつ。愛車は軽からキャンピングカーまで幅広く経験。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。