クルマがあれば、休みの日はどこかへ出かけたくなる。家族で乗ればさながら動く家になるし、時には独り占めするのもいい。みんなで愛情と感謝をもって接すれば、クルマはもっと応えてくれるはず。そして次第に、ファミリーカーは家族にとってかけがえのない存在になる。そんな家族とクルマ10組の週末をのぞいてみた。
Mitsubishi Outlander PHEV|馬場 輝さん/デザイナー
愛犬と、自転車と。気づけば8年で10万キロ
デザイン関係の仕事を営む馬場さんは、三菱・アウトランダーPHEVに愛犬のリンダ(6歳♀、フラットコーテッドレトリーバー)と自転車を載せ、公園でバイクジョアリングの練習を楽しんでいる。
バイクジョアリングとは、犬と人間の息を合わせた北欧のスポーツで、犬ぞりのオフトレーニングが発祥。犬に専用のハーネスとバンジーリード(伸縮性がある)をつけ、走る速度に自転車の速度を合わせながら「ジー(右)!」「ハー(左)!」と声をかけて走る。
「冬がシーズンなので、今は週2回のペースで練習しています。アジリティなどの競技と比べて、ジョアリングはより一体感と達成感がある印象ですね。初めはフリスビーを教えようと思っていたけど、こっちでよかった」
もとより馬場さんは、自転車競技(シクロクロス)に出場するほど根っからの乗り物好き。そうした機会に長距離を安心して移動できる相棒として、2016年にアウトランダーを選んだ。
「2015年式の3500㎞の個体を買いました。それが今は10万㎞を超えてるんだから乗ってますよね。その前は妻とアウディTTに乗っていましたが、さすがに小さすぎて(笑)。若い頃に三菱のディーラーでメカニックを務めていた経験からアウトランダーを視野に入れたんです。当時はまだプラグインハイブリッドって珍しかったけど、クオリティは高いですよ。バッテリーは保証で新品に替えていて、今も長距離をモーターとエンジンの力で難なく走ります」
購入年 :2016年
購入後の走行距離:3500キロで購入し、現在約10万キロ
こだわったポイント:ルーフラックの取りつけ部分を海外仕様にして、スーリーのエアロバーをつけています。内張りを剝がした苦労もいい思い出です
PHEVの便利なところは?:遠乗りの車中泊ではバッテリーだけで一晩エアコンが使える。自転車イベント運営時には電源車として活躍
愛犬との大会はもちろん、自転車競技や主催するクラシックカーイベントには妻も駆けつける。パートナーの理解があってこその趣味なのだ。
「1966年式のダットサン・ブルーバード(現在も所有)で試合に行ったときに僕が落車してしまって。骨折したまま一緒に運転して帰ってきたこともありましたね(笑)。最近はまたオートバイに乗っているのですが、積載用に軽トラ(ホンダ・アクティ)を買いました。『白じゃなければいいよ』と言って許してくれた妻には感謝です」
ご覧のように、好きな乗り物やクルマに一貫性はないが、馬場さんはいずれも家族のように愛情を注いでいる。
「中でもアウトランダーはしみじみいい道具だなって思います。僕はいろんな乗り物が好きですね。一貫性よりも、乗り手とクルマのストーリーが見えるほうが好きなんだと思います」
ボールを投げると一目散に走って取りに行くリンダ。「1歳の頃は骨格が固まっていないので、ジョアリングの前にボール投げから教えました」。「おいで!」と言うと遠くからでも必ず走って戻ってくる。
リンダは「Go!」という掛け声とともにスタートダッシュし、馬場さんは立ち漕ぎをしながらスピードを合わせる。5年続けているだけに息はピッタリだ。
自宅には200Vの普通充電器を備えている。
ヒッチメンバーを取りつけ、自転車を載せるのが馬場さんのスタイル。「自転車は群馬のライジンさんでビスポークしました。こだわりのスチールフレームです」。
バイクジョアリングでは、前輪にバンジーリードが絡まないようにアンテナと呼ばれるパーツを取りつける。
到着すると、簡易的なテーブルとキャンプチェアを広げてコーヒーを淹れることも。「ポットの電源はアウトランダーから取れるのが便利ですね」。
今年3月に手に入れたホンダ・アクティ。「自分や友人のオートバイが壊れたときのレスキュー用に」。
自宅ガレージでオートバイや自転車を見せてくれた馬場さん。2柱リフトに工具一式、さらには溶接機まで揃う整備工場さながらの環境だ。現在の愛機は、カスタムした’70年代のヤマハ XS650スペシャル。
長年所有するダットサン・ブルーバード1300SS。ピニンファリーナによる尻下がりのデザインが美しい。