クルマにこだわる人は多いけど、タイヤはどれくらい意識したことがあるだろうか。どんなに素敵なクルマも、路面と接地しているのはタイヤだけ。安全性を左右することはもちろん、運転する楽しさだって変わる。そこで今回は、ファッション業界で活躍する2人が愛車で登場。自動車ジャーナリストの斎藤聡さんとタイヤについて考えてみた。
CASE 1_井田正明さん(スタイリスト)
メルセデス・ベンツ C180 ローレウスエディション
斎藤 井田さんはスタイリストですが、クルマ選びにはどんなこだわりが?
井田 仕事柄、まわりはおしゃれで個性的なクルマに乗っている人は多いです。ただ、僕はエッジの効いた服を着ることが多いので、逆にクルマはさりげないくらいがいいかなと。それでメルセデスのCクラスセダンを選びました。
斎藤 なかでも特別仕様車のローレウスエディションを選んだのは?
井田 ほかのグレードでは内装にウッドが使われているんですが、ローレウスエディションはシルバーが使われていて、スポーティに見えて気に入ったんです。そんなにこだわってないくらいの見え方でもいいかなと思ったんです。
斎藤 ローレウスエディションは、バンパーやリヤスポイラー、18インチホイールをAMGラインに、内装にもAMGラインを装備してスポーティに演出されていますから、ほかのグレードとはだいぶ差別化されています。足回りもスポーツサスペンションが採用されているんですよね。
斎藤 今までタイヤにはどんな印象を抱いていましたか?
井田 タイヤには詳しくなくて、以前履いていたタイヤもショップの人に勧められて購入したものです。最近坂道で停車するときなどにズズッと滑るのを感じることがあって。今回ブリヂストンのタイヤに交換したのですが、最初走り始めたときにすごくどっしりしていると感じました。
斎藤 装着した「POTENZAS007A」は、ブリヂストンのPOTENZAというスポーツブランドですが、グリップ性能を上げて操縦安定性を高めているのが特徴です。コンフォート系のタイヤと比べると剛性が高くスポーティな走りに応えてくれる設計になっています。
井田 POTENZAS007Aに換えてから、ドライブモードをコンフォートからスポーツに変えてハンドルを切ったときに、切った分だけスッと曲がってくれるのを強く感じられるようになりました。今日は雨が降っていますが、乾いた路面で走るのと変わらないほど安定していて不安がないですね。
CASE 2_行方 淳さん(エディター)
ボルボ XC90 T5
斎藤 行方さんはボルボのSUVを乗り継がれているそうですね。
行方 キャンプ、スキー、スノボ、サーフィンといろいろやっているので、どこへでも行けて、荷物がたくさん積めるクルマということでSUVを選んでいます。四輪駆動もポイントです。
斎藤 ボルボには何かこだわりはあるのですか。
行方 まず、佇まいがいいですよね。派手さはないのに形として美しい。スーッと伸びたラインでボディが構成されていて、余計な装飾がないのがいいです。あと、ボルボには安全のイメージが強い。実際にボディもしっかりできてる感じがします。
斎藤 安全性はボルボのウリの一つですね。世界の自動車メーカーに先駆けて積極的に取り組んでいます。
行方 それからインテリアのムードですね。スカンジナビアンデザインと言われていますが、華美さがなく、洗練されているのがそれなのかな。とても居心地がいいんです。
斎藤 タイヤへはどんな意識を?
行方 タイヤショップで「凍っていない路面であれば、夏も冬も走れます」と言われ、オールシーズタイヤを選びました。
斎藤 ALENZA001に履き替えた印象はどうでした?
行方 惰性で走っているときにスーッと伸びていく感じがしました。自転車の空気を多めに入れると軽くなるじゃないですか。あの感じにすごく似ています。
斎藤 装着した「ALENZA001」は転がり抵抗が少ないのも特長なんです。惰性でスーッと伸びるのは、まさに転がり抵抗が少ないタイヤの証。このタイヤはSUVをオンロードで気持ちよく走るように作られています。
タイヤ選びはクルマとタイヤとドライバーの相性で決まる
斎藤「標準装着されているタイヤは、まるで気配を消してクルマに寄り添うように作られています。ゆえに日頃からあまりタイヤを意識することはないと思いますが、クルマの開発ではタイヤの持っている性能も含めて乗り心地や操縦性、安定性などがテストされています。
しかも、タイヤはクルマの中で唯一路面に接地しているパーツです。クルマの性能はタイヤを通して路面に伝えているので、摩耗しパフォーマンスが落ちれば、クルマのパフォーマンスも低下してしまいます。
ではどんなタイヤを選べばいいのでしょう。クルマのキャラクターに合わせて選ぶ方法やご自身の使用用途、好みから選ぶ方法などがあると思います。ラグジュアリーセダンに乗り心地を重視したコンフォートタイヤを履くと、より静かで快適な車内空間となります。一方、グリップの良いスポーツタイヤを履くと、ハンドル操作がよりしやすくなり、高速時の走りが安定します。
タイヤ選びは、クルマとタイヤの相性、それに乗る人の好みや嗜好、これを上手にバランスさせることが大切になります。」
井田さんのメルセデス・ベンツ C180 ローレウスエディションの場合
斎藤「メルセデス・ベンツCクラスは、シャシーは安定性を重視した設計にし、タイヤでアジリティを出す、そんな味付けです。C180ローレウスエディションも、スポーツサスペンション付きですがこの傾向は変わりません。そのため、クルマ起点で考えると、選ぶタイヤは応答がよくスポーティなものと相性がいいと思います。一方、乗る人の好みや嗜好視点でタイヤ選びをする場合は、選ぶ人によって選ぶタイヤも変わってくると思います。例えば、乗り心地や快適性を重視したいと考える場合は、コンフォートタイヤのREGNO GR-XⅢも今回の候補としてあります」
行方さんのボルボ XC90 T50の場合
斎藤「近年のSUV人気に対応して、オンロード向けSUV用タイヤとして開発されたのがアレンザシリーズ。タフネス性を備えながらオンロードに特化したトレッド(溝)デザインに。ALENZA001とALENZA LX100をラインナップしています。XC90は堂々たる体躯とは裏腹にとても軽快なフットワークを備えているので、よりALENZA001との相性がいいと思います。乗り心地静粛性を重視するならLX100とXC90との組みあわせも良い選択だと思います」
タイヤを交換してみて…
以前履いていたタイヤでも特段不満はなく…というよりまったくと言っていいほど意識していませんでした。気になりだしたのは、坂道で駐車するときや、交差点で時折タイヤがズズッと滑ること。そろそろ替えた方がいいのかなくらいの感覚だったんです。ところが、POTENZAに交換したら、どっしっとした安定感が出て安心感が大きく変わりました。ドライブモードを替えたら、コンフォートでは乗り心地がよく、スポーツにすると硬さは気にならないのにクルマの動きがキビキビとして、さらに思い通りに走るようになりました。クルマの走りが変わって運転が楽しくなるなんてびっくりしました。
一番はアクセルを戻して惰性で進んでいるときにスピードの落ちが少なく、スーッとタイヤが転がっていく感じがありました。転がり抵抗が少ないのが実感できました。また、レーンチェンジも指1本分くらいのわずかなハンドル操作でできてしまう。オフロードバイクにオンロードタイヤをつけたモタードに乗っているような感覚に近いですね。乗り心地が滑らかでハンドルの効きが良い。週末のロングドライブが楽しみになってきました。
クルマの運動性能の解析や解説中心にした試乗レポートが得意。またチューニングカーの試乗経験も豊富で、1000馬力クラスのチューニングカーも軽々と乗りこなす。タイヤに対する造詣が深く、タイヤの試乗インプレッションも得意としている。このほか、自動車メーカー系のセーフティドライビングインストラクターの経験が20年以上あり、これを背景にセーフティドライブ・インストラクターとしても活動を行っている。
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