2024.07.14

Formula E/2024 Tokyo E-Prix|フォーミュラEがお台場を駆け抜けた!【文化系男子は電気自動車の夢を見るか?Vol.28】

EV

Formula E /2024 Tokyo E-Prix

Formula E /2024 Tokyo E-Prix
フォーミュラEでは、レース中にパワーが50kW増量する「アタックモード」を2度(計8分)使うことが義務づけられている。ただし、使用中は特定のコーナーのアウト側に設けられたアクティベーションゾーンを通過しなくてはならないため、レーシングラインからは外れることになる。ステアリングのボタンを押すと発動する仕組みは、テレビゲームさながら。

フォーミュラEが
お台場を駆け抜けた!

 今月の話題は、リアルに買えそうもなければ、運転できそうにもないけれど、純粋に気になる「フォーミュラE」の話。今年で10年目を迎えたフォーミュラEが、日本で初開催されました。通称“東京 E-プリ”は、お台場の東京ビッグサイト周辺の市街地コースが舞台。騒音も排気ガスも出さないため、公道でレースができてしまうことが最大の魅力です。

 目の前で観ると想像以上に静かではあるものの、信じられないほど観客の近くを列をなして瞬時に駆け抜ける様と、キーンと響く未来的なノイズからはフォーミュラE特有の一体感が生まれ、誰しも鳥肌が立つに違いありません。今回は、初優勝を母国で狙う日産と、期待の若手がハンドルを握るマセラティが熾烈なバトルを展開! 残り数周で日産が一瞬前に躍り出るも、僅差でマセラティが勝利をつかみました。

 現在、フォーミュラEでは、時速320㎞/hの最高速を誇る「GEN3」という第3世代の共通マシンを採用しており、それぞれのチームは、パワートレインのセッティングで勝負を競っています。勝利の鍵は、バッテリーをいかにロスさせずハイペースで走るかということ。闇雲に飛ばしても勝てないチーム一丸の頭脳戦なので、決勝ではバッテリー残量がほぼゼロでゴールするチームも多く手に汗握る展開が生まれます。

 通常のサーキットと異なり、市街地レースとなるとテレビゲームがリアルになったかのような感覚が面白く、レースに縁のなかった人でもより身近に感じられます。そのうち、東京でももっと馴染み深い街中で観られる日がやってくるかもしれませんね。

表彰式

東京ビッグサイトの屋内には出店が並び、パブリックビューイングも行われて大盛況。表彰式も盛大に執り行われた。

トップ争いをするマシンの隣を何事もなく普通車が走っている光景

トップ争いをするマシンの隣を何事もなく普通車が走っている光景。いかに身近なところで行われているかがわかる。

ピット裏

市街地ゆえに道幅は狭く、部品が破損することもある。各チームのピット裏にはフロントウイングの予備がスタンバイ。

神保匠吾

1982年福岡県生まれ。オンラインモーターマガジン「DRIVETHRU」ディレクター。学生時代に乗っていたBMW初代3シリーズ(E21)を電動化し、EVライフを実践中。詳しくはhttps://drivethru.jp

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