2023.10.06
最終更新日:2024.03.08

軽自動車よりも小ぶりなEV「マイクロモビリティ」急増中!? 【文化系男子は電気自動車の夢を見るか?Vol.21】

カーボンニュートラルな環境意識の高まりとともに続々と誕生しているEV。もはや次にクルマを買うならEVしかない? 今回は、飛行機の操縦桿のようなデザインである「ヨークステアリング」を装備したクルマについて。

軽自動車よりも小ぶりなEV「マイクロモの画像_1

Vol.21

マイクロモビリティ急増中!?

Microlino 2.0

マイクロリーノ_Microlino 2.0_スイス
本格的にヨーロッパにおけるデリバリーを開始したマイクロリーノ。本拠地のスイスで行われたオーナーイベントの様子を見ていると、単なるシティコミューターの枠を超えた魅力を感じさせる。
マイクロリーノ_Microlino 2.0_東京モーターショー
2019年の東京モーターショーで取材した際の様子。ご覧のようにドアは前開き。早く日本でも乗れる日がきますように!

 今回のテーマはマイクロモビリティ。欧州を中心に、狭い街中の交通手段(=シティコミューター)として、軽自動車よりも小ぶりで簡素なEVが人気です。ニュースで見かけるEVの実証実験や超小型モビリティの話は、どこかマジメすぎて自分ごととしてのリアリティに欠ける気がしますが、欧州でのマイクロモビリティの普及を見ると、こんなにも楽しい乗り物がなぜもっと普及しないのかと思ってしまいます。


 巨大化が止まらない昨今のクルマと比べて、とにかくミニマムで潔いつくり。潔さならバイクや自転車でも、と思われるかもしれないですが、そうじゃないんですよ。屋根とドアがあることで、小さくても自動車らしい移動空間が構築されていることがポイント。一方、極めてシンプルでありつつも、つくり手(=ブランド)によってキャラクターが激変するのも面白い点です。


 例えばスイス発の「Microlino(マイクロリーノ)」は、’50年代のレトロなバブルカーをモチーフに現代的なデザインアプローチを施したマイクロモビリティ界のパイオニア的存在。欧州では昨年より続々とデリバリーが始まっているようで、今年6月に行われた初のオーナーイベントでは、70台ものマイクロリーノがスイスのチューリッヒを駆け巡りました。フェリーでみんなで旅する様子は、もう楽しそうでしかない!


 ほかにも各国から続々と出ていて、日本勢も挑戦中。現在、欧州を中心にカーシェアリングなどで急速に普及しつつあることを考えると、案外、ファーストEVがマイクロモビリティという人が増えてくるかも⁉


Citroën Ami

シトロエン・アミ
シトロエン・アミ_モナコGP_横転_SNS
ユニークな見た目をした二人乗りの「シトロエン・アミ」は、すでに欧州で大人気。カーシェアで同車を利用した若者がモナコGPで有名なヘアピンコーナーに猛スピードで進入し、横転した様子がSNSで拡散されたことも。カーシェアにもモラルは大事です。

Fiat Topolino

フィアット・トッポリーノ_EV
アミと同じプラットフォームを使って、クラシカルなテイストにまとめた「フィアット・トッポリーノ」。トッポリーノとはイタリア語で「小さなねずみ」の意。パステルカラーがよく似合い、イタリアの路地裏に間違いなく溶け込める最新EV。

KG Motors Minimum Mobility

一人乗りの超小型EV_ミニマムモビリティ_広島_KGモーターズ
広島のKGモーターズが手がける「ミニマムモビリティ」は、一人乗りの超小型EV。YouTubeを駆使したメディア戦略によって100人対象の有料モニターに5800人の応募があり、国内での需要を立証。2024年3月よりモニター運用を開始する予定。

GLM MiMoS

GLM MiMoS_マイクロモビリティ_京都
京都のGLMでは、4人乗りの海外製のマイクロモビリティを日本仕様に変更し軽自動車の登録に成功。今夏より温泉地や山岳地帯といった過酷な条件下や場所など多方面で実証実験を開始。「MiMoS」という名で生まれ変わりユニークな展開に期待したい。

神保匠吾
1982年福岡県生まれ。オンラインモーターマガジン「DRIVETHRU」ディレクター。学生時代に乗っていたBMW初代3シリーズ(E21)を電動化し、EVライフを実践中。詳しくはhttps://drivethru.jpへ。



Illustration: Tabito Sugiyama
Text: Shogo Jimbo

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