カーボンニュートラルな環境意識の高まりとともに続々と誕生しているEV。もはや次にクルマを買うならEVしかない? 今回は、中国の巨大EVメーカー「BYD(ビーワイディー)」について。
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Vol.17
テスラキラーは、中国からの刺客だった
BYD ATTO 3
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中国の巨大EVメーカー「BYD(ビーワイディー)」が日本に上陸。まだまだ耳馴染みはないと思いますが、今やBYDは世界の電気自動車市場のトップシェアを誇り、世界一のEVブランドへと成長中。
え、テスラじゃなかったの!?と思う方もいるかもしれませんが実は中国の巨大なマーケットをつかんでいることもあって販売台数はテスラ超え。テスラがiPhoneとしたらBYDはアンドロイドといったところでしょうか。
そんなBYDのEVの利点は、同社の始まりがバッテリーメーカーだったということ。ガソリン車の世界では高性能なエンジンを開発できるメーカーが時代を率いてきましたが、EVでは優れたバッテリーを開発できるメーカーが覇権争いを制します。
今回、日本に最初に投入されたのは「ATTO 3」という、今まさに売れ筋であるミッドサイズのSUV。早速乗ってみたが、中国車だからといって安っぽさは微塵も感じられないし、他車のデザインを模倣しているわけでもない。元アウディのチーフデザイナーが腕を振るっていることもあって、BYD独自のフィロソフィで仕上げられた印象が強い。気になる価格は補助金を使って300万円台。試乗すればより実感できますが、大いにアリな一台です。
とはいえ中国車という選択肢がなかった日本人には、疑問が残る人も多いはず。そのため、BYDは2025年までに全国に100のディーラーをつくり、オンラインではなく対面のセールスを重視するという。日本車勢よ、このままで大丈夫か…!
※マークラインズ(株)調べ
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神保匠吾
1982年福岡県生まれ。オンラインモーターマガジン「DRIVETHRU」ディレクター。学生時代に乗っていたBMW初代3シリーズ(E21)を電動化し、EVライフを実践中。詳しくはhttps://drivethru.jpへ。
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Text: Shogo Jimbo