RBW Roadster/GT
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往年の英国車が新車で買える?
ヴィンテージカーのエンジンを降ろして電動化する「コンバートEV」は画期的なアイデアですが、今回はそのさらに上をいくクラシカルなEV、イギリスの「RBW」を紹介しましょう。なんと、往年のMGのボディをまとったEVが、正真正銘の新車としてオーダーできるのです。
RBWは、2017年に誕生したインディペンデントなカーブランド。自動車文化が成熟しているイギリスでは、今もMGやトライアンフ、クラシックミニなどのヴィンテージカーのパーツが多く作られていて、RBWはその大手であるブリティッシュ・モーター・ヘリテージとパートナーシップを結んでいます。よってこのボディシェルも新品を使っており、インテリアは新たにデザインされています。さらに中身には、今やEVの分野でもシェアを伸ばすドイツのメガサプライヤー、コンチネンタルが開発に加わり、特許を取得したドライブトレインを搭載。ゆえに外も中も再利用ではなく、最新パーツによる新車といえるのです。
RBW ロードスターを運転した印象は、最近のEVにありがちな恐ろしいまでの加速がなく、前後の重量バランスが優れた味わい深いハンドリングや、クラフツマンシップあふれるインテリアの質感が魅力の、ジェントルなEV。
これだけヴィンテージカーに注目が集まり、愛好家が大勢いるにもかかわらず、なぜ世界中の自動車メーカーは、スニーカーや家具のように復刻版を発売しないのか。そんな疑問をRBWのEVに触れるとつくづく抱かされます。
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古きよき時代のブリティッシュスポーツカーをこよなく愛するピーター・スウェインさんが人生を懸けて立ち上げたのが「RBW」(ブランド名は、3人の子どものイニシャルに由来)。ボディをはじめ、古いイギリス車の部品が今も新品で手に入るのは、自動車文化が成熟した国ならではといえる。
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2シーターのオープンモデル「ロードスター」とクーペの「GT」が選べ、今夏からは左ハンドルの北米仕様も登場し、13万9000米ドルからオーダーできる。日本導入は現在のところ未定。高価だが、その価値とニーズはあるはずだ。
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香港で発表されたRBW ロードスターをテストドライブ。
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香港は東京とは比べものにならないほどテスラや中国系のEVであふれていて、中国資本でコンパクトSUVとして復活したMGの姿も見かけることができた。
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そんな中をRBWでドライブする感覚はとても新鮮で、未来を感じたひと時だった。
オンラインモーターマガジン「DRIVETHRU」ディレクター。初代BMW3シリーズをEV化し、移動式充電機《Mobile SS》を考案、その普及に奮闘中。詳しくはhttps://drivethru.jp